SYU'S WORKSHOP
サイクロプス
CYCLOPS FROM "THE 7TH VOYAGE OF SINBAD"
ファンタジー映画「シンドバッド7回目の航海」に登場する「サイクロプス」です。
「BILLIKEN」のソフビ組み立てキットです。
このソフビ・キットは1985年に発売された物です。
私にしては珍しく、買ってすぐ組み立てて、
色を塗り、即、完成させたモノなのであります。
以来ずっと部屋に飾っておいたのを、今回紹介する事にしたのでした。
この素晴らしいソフビ・フィギュアの造形は、
当時の「組み立て説明書」によると、
「唐沢晴之介 改め ハオヤ.マハ.」と書かれています。
超有名な造形家「ハマハヤオ」氏の昔のペンネームなのであります。
このモンスターが登場したのは
「シンドバッド7回目の航海(1958)」というファンタジー映画の中。
当時の特撮界の大御所「レイ・ハリーハウゼン」によって、
モデル・アニメーションで動かされた怪物です。
ハリーハウゼンは「人形コマ撮り」で動かしたクリーチャーを
実写に絡ませたSF・ファンタジー映画を幾つも作っており、
それらを「ダイナメーション」とか「ダイナラマ」と呼びました。
実写の風景や実際の役者と同じ画面の中で、
非常に魅力的な怪物たちをたくさん大暴れさせたのであります。
(シンドバット7回目の航海は、
正式には『シンバッド七回目の航海』のタイトルで日本公開されました。
また、再公開時には
『シンドバッド7回目の冒険』というタイトルに変わっています)
このサイクロプス、英語では「CYCLOPS」で、
日本では「サイクロップス」「キュクロプス」「キュークロプス」とも呼ばれています。
元は「ギリシャ神話」の「オデュッセウス」の物語に登場する「一つ目の巨人」で、
神々の眷族でもありました。
塗装はラッカー系塗料を使い、全て筆塗りで完成させました。
これを作った当時、私はエアブラシを持っていなかったのです。
また、同じラッカー系塗料で「4〜5回」色調を変えて「ドライブラシ」をかけました。
ドライブラシ特有の「ボソボソ感」が、
このモンスターには合っていた様に思います。
キットには「頭部」が二つ付いていました。
写真の「角が一つ」のタイプと、「角が二つ」のタイプです。
どちらも映画の中に登場する「サイクロプス」なのですが、
私は代表的な「一つ角タイプ」を選択しました。
また、口が自由に「開閉」出来る様になっています。
私はこの手のギミックが大好きです。
上の画面に「マウスポインタ」を置くと口が開きます。
世の中には、この手のソフビ・キャラの「可動部」を丁寧にパテで埋めて、
「よりリアルな造形物」にする人もいますが、
私はそのままにして完成させる事にしています。
ソフビ・フィギュアは、「手足や首」を動かしていろいろなポーズを取らせて
「遊ぶ」のが一番楽しい、と思うからなのであります。
手は三本指。
私の大好きな「ハサミ」じゃないのは残念ですが、
この「三本指」というのも映画のモンスターに見られる記号の一つです。
例えば、「宇宙戦争(1953)」の「火星人」とか、
「禁断の惑星(1956)」のロボット「ロビー」とか。
足は蹄。
ハリーハウゼンがこの「一つ目巨人」を造形する時に、
「中に人間が入っているとは思われたくない」と
「非人間的」な要素を付け足した、といいます。
話は全然違うのですが。
昔、ウチが「空き巣」に入られた事がありました。
その時、やって来た刑事が部屋にあったこのサイクロプスを見て、
「いやあ、こんなの本当にいたら怖いねぇ」
とボソリと言ったのであります。
「やっぱ、刑事さんでも、こんなのいたら怖いですか?」
という私のバカな質問に再び応えて、
「そりゃ、怖いよ。刑事だってこんなのいたら」。
刑事も怖がるサイクロプス・・・。
やはりSF・ファンタジー映画の傑作モンスターなのであります。
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