SYU'S WORKSHOP
6分の1 本製作記
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「6分の1ドール」の小道具用に「6分の1サイズの本」を作ってみました。
以下、その「製作記」です。




まず、作ろうとしている元の本から、
「表表紙」「背表紙」「裏表紙」を丁寧に剥がしていきます。
これらは展開すると一枚の紙から成り立っています。
通常の月刊誌などはこの紙が「厚紙」で作られている事が多く、
この「剥ぎ取り」作業が比較的簡単なのですが、
漫画雑誌などは「薄紙」である事が多く、特に「背表紙」を剥がすときには
慎重に行わないと破れてしまう事がありますので注意が必要です。



そうして一枚の紙になった「表表紙」「背表紙」「裏表紙」を
カラーコピー機で縮小コピーします。
スキャナーとプリンターを持っていれば、それを使った方が便利なのですが、
あいにく私は持っていないのでした。

カラーコピー機を使う場合、一気に「6分の1サイズ」までは縮小できませんので、
まず「25パーセント」の縮小をし、それをさらに「67パーセント」に縮小します。
これで「6分の1」のサイズになった計算です。
そして、縮小コピーした表紙の周りを「3センチ」ほどの余白を残し、切り取ります。



それを「実際の元の本」を参考にしながら、
「背表紙」の部分を正確にキッチリと折り曲げていきます。



次に本の中身のページ部分を作っていきます。
縮小した表紙を切り抜いた後の「カラーコピー用紙」の余りを利用します。
先ほど切り抜いた「3センチの余白をつけた表紙」の大きさに「だいたい」合わせて、
必要な枚数だけ、何枚も何枚も切っていきます。



もちろん「必要な枚数」とは実際の本のページ数ではなく、
折り曲げた「背表紙」の幅に収まるだけ、という意味です。
「一枚」「二枚」と微妙に足し引きをして、その幅にきっちり入る枚数を
調整して出していきます。



必要な枚数が揃ったら、その紙の「三辺の端」をホチキスでしっかり留めておきます。
これは後々の作業で、束ねた紙が「動かない」様にするためです。



ホチキスで留めていない残り一辺の端を、定規を当て、カッターナイフで
丁寧に切っていきます。もちろん、一回で切り取るのではなく、
何回も何回も刃を入れて慎重に切り取っていきます。
これが、表紙の「背表紙」に接着される部分となるわけです。



ピシっと切り取ったその部分に「両面テープ」を貼り付けていきます。
これは「表紙」を接着するという目的と、
「束ねた紙同士を背表紙部分でまとめる」ための「糊」としての目的がありますので、
しっかりと紙に密着させる事が重要です。
貼った後でも何回も何回も「爪」で「厚み部分」のテープを紙に押しつけておきます。
この作業が甘いと後で本がバラバラになってしまうのです。



こうして「表紙部分」と「中身部分」が出来上がりました。
これを、慎重に合わせて、



「表紙によってサンドイッチされた紙が束ねられた本」が出来上がりました。
後は、余白部分をカットしていくだけです。



ここでまた注意しなければならないのは、
余白部分のカットは「背表紙方向から」刃を入れた方が良いという点です。
何故かと言うと、こうした方が「完成した時の背表紙」が綺麗に仕上がるからです。

こうして余白部分の「三辺」を切り取って、



「6分の1サイズの本」が完成しました。

この本、中身を開くと「全部真っ白なページ」なのですが、
それが気になる人には、



開くページにだけ「中身のページの縮小コピーを貼る」という方法があります。

今回のこの製作法で「全てのページがちゃんと印刷されている」
「6分の1の本」を作る事も可能だとは思いますが、
その物理的作業のとてつもない大変さを思うとあまりお勧めできません。
やはり、「開いたページだけ中身を作る」という方法が実質的なのではないでしょうか。



てな事で、他にもいろいろと「6分の1の本」を作ってみました。



さあ、あなたもぜひ、自分の大切な「ドール」や「フィギュア」に
愛読書を作ってあげてみたらいかがでしょうか?
この小道具製作の楽しいところは、
「自分の趣味趣向をドールに押しつける事が出来る」という点です。

自分の好きな本は他人に勧めたくなるように、
誰でも「ドール者」なら、
自分のドールにも自分の愛読書を持たせたくなるのではないでしょうか?
いないか。そんな人は。

ちなみに彼女が今読んでいるのは「京極夏彦」の「魍魎の匣」という
私の大好きなミステリー小説なのでありました。





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