SYU'S WORKSHOP
金星ガニ
KINSEIGANI FROM "IT CONQUERED THE WORLD"
SF映画「金星人地球を征服」に登場する「金星ガニ」です。
「BILLIKEN」のソフビ組み立てキットです。
このキットが発売されたのは1985年。
当時買った私は、一度だけ箱の中を確認した後、そのまま仕舞い込んでいたのですが、
つい先日、「16年ぶり」に箱を開け作り始めたのでした。
この「金星ガニ(アメリカではキュウリ型宇宙人と呼ばれているらしい)」は、
「B級SFマニア」の中では超有名キャラクターです。
つり上がった眉と突き出た牙。そして先割れした不気味な舌。
もうどこから見ても「悪い宇宙人!」という記号で作られた造形が、反対に愛しさを感じます。
この分かりやすい「悪い宇宙人」が登場する「金星人地球を征服」は1956年のSF映画。
製作会社は「AIP(アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ)」というところで、
監督は「ロジャー・コーマン」という人。
どちらも「B級SFマニア」には今でも信奉者が多いのでした。
「AIP」と「ロジャー・コーマン」はこれ以外にも数々の「B級SF」を作っています。
「原子怪獣と裸女」だの「X星から来た吸血獣」だの
「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」だの「X線の眼を持つ男」だの
タイトルからして「うわー、B級!」ってなのがいっぱいあります。
この宇宙人が日本で「金星ガニ」と呼ばれる理由は、この「ハサミ」にあります。
「メタルナミュータント」といい「バルタン星人」といい、
どうやら「悪い宇宙人=手はハサミ」という法則が
「SFの世界」では暗黙のうちにあるみたいです。
そしてやっぱり悪いヤツには「角」も生えてなきゃ。
これもお約束でしょうか。
しかしこのカニ、立派な「金星人」であり、
「金星にたった9匹だけ誕生した高い知能を持つ生物」という設定なのでした。
こんな姿でロボットを操り、人間の意志までコントロール出来るのでした。
やっぱ「宇宙人は見かけによらない」という事でしょうか。
後ろ姿です。
前ズラと違い、「なぁんにも考えていない」この後ろ姿にまた
「B級SFチック」を感じるのでありました。
胴体の周囲には合計「41本」の「脚」が生えています(映画では48本らしい)。
このキット、何が面倒かと言って、この「脚」をソフビの「湯口」から1本1本切り離して、
それを周囲に1本1本接着していく事でした。
これがあったので私は「16年間」も作らずに箱のまま放っておいたのでした。
ソフビキットの場合、パーツを切り離した後、丁寧に「洗浄」する必要があります。
そうしないと「離剥剤」が残っていたりして、塗装が上手く行かないからです。
洗浄した後、丁寧に水を切り乾燥させ、それから塗装作業に入るワケなのでした。
この写真、なんだか
「わーい!今日はお鍋だー!」ってなカンジです。
今回、色は比較的オーソドックスに塗ってみました。
が、「スミ入れ」と「先割れ舌」には「パープル」を使い、ちょこっとだけ
オリジナリティを出してみました。
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