SYU'S WORKSHOP
メタルナミュータント
METALUNA MUTANT FROM "THIS ISLAND EARTH"
SF映画「宇宙水爆戦」に登場する「メタルナミュータント」です。
「BILLIKEN」のソフビ組み立てキットです。
このソフビキット、「BILLIKEN」から1983年に発売されたモノ。
当時に買った私は、色を塗っては気にくわなくてラッカーシンナーで色を落とし、
また色を塗り、また気にくわなくて色を落とし、を繰り返して、ようやく最近
「ま、さすがにもうお仕舞いにしよう」と完成に至ったモノなのでした。
一つのソフビキットで「18年ぐらい」遊べてしまう私は
経済的な性格なのか、それとも思い切りの悪い性格なのか・・・。
ま、後者ですね・・・。
色塗りの試行錯誤を繰り返した結果、映画通りに塗るのもつまらなく思え、
結果、「メタルナミュータント」の名前からイメージして、「メタルっぽく」塗る事にしたのでした。
このモンスターが登場するのは1955年に作られた「宇宙水爆戦」という
傑作(古典)SF映画の中です。
「メタルナ星」で「使役」用に昆虫から造られたミュータント。
今だと「DNA操作によって造られたクリーチャー」ってなところでしょうか。
その特異なデザインは、その後のSFにいろいろな影響を与えたのでした。
映画は観たことはないけど、コイツは知っている、という人も多いのではないでしょうか?
日本のテレビSF「ウルトラマン」に登場する「バルタン星人」なんかも、
モロ、この影響を受けたデザインになっていると思います。
また、作られた映画会社が「ユニバーサル」という事もあって、
「ユニバーサル・モンスター」と呼ばれる一連の怪物たちの中にも、
必ず、このミュータントは登場しています。
このソフビキット、実は映画と比べてみると、あまり似ていません。
どう似ていないかというと、明らかに、ソフビキットの方が数段格好良い、のです。
当時の映像を見てみると「いかにも中に人間が入っている張りぼて」状の造形に
なっているのに比べ、キットの方は「スマートで洗練」された造形になっているのです。
今日では「当時の造形をリデザインしてさらに格好良いフィギュアにする」という事が
行われていますが、18年前に、その様なフィギュアを出した「BILLIKEN」には
まったく驚かされます。
造形は業界で超有名な「ハマハヤオ」氏。
今後もこの「BILLIKEN」の「メタルナミュータント」を越えるキットは
おそらく登場しない様な気がします。
「宇宙水爆戦」が作られた1950年代は「SF映画第1次ブーム」とも言え、
他にも「禁断の惑星」だの「地球最後の日」だの「宇宙戦争」だの「地球の静止する日」だの
「海底二万哩」だの「遊星よりの物体X」だの、様々な後世に残る傑作が登場したのでした。
日本の「ゴジラ」が産まれたのもこの時代(1954)です。
塗装は「MR.カラー」の「シルバー」を基本塗装にして、
その上に「タミヤ・エナメル」の
「クリアーブルー」だの「クリアーレッド」だの「クリアーイエロー」だのを
薄く何重にも重ね、「深みのあるメタリック感」を目差してみました。
「CG」も「高度な合成技術」もなかった時代のSF映画。
それでも、現代のSF映画に比べて「センス・オブ・ワンダー」の精神だけは
勝っていたのでは、などと思うのでした。
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