SYU'S WORKSHOP
7TPdw 双砲塔戦車
7TPdw POLISH LIGHT TANK
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「第二次世界大戦」の「ポーランド軍」の「双砲塔戦車」です。
「MIRAGE」社のキットです。




このキット、十年ほど前に購入し、
いろいろと細かく手を入れて作り始めたのですが、
途中で飽きてしまい、5年ほど押入の中に眠り続けていたモノです。
最近、ようやく引っ張り出して、一気に完成させたのでした。

また、いつもは「ソ連戦車模型」を作っている私なのですが、
今回は「ポーランド軍」の戦車。
浮気です。



この「7TPdw 双砲塔戦車」は、
ポーランドがドイツに攻め込まれ、
第二次世界大戦が始まった1939年より前の事、
30年代の半ばに製造されました。
しかし、この戦車はポーランド軍のオリジナルではなく、
元になった戦車がありました。
それはイギリスの「ビッカース・アームストロング6t戦車(Mk.E)」でした。
ポーランドはそのイギリスの戦車を数十台輸入し、
一部はそのまま使用し、また一部は改修を施し、
そしてまた改良を加え新造したのが、この「7TP」なのでした。



「7TPdw」の「dw」はポーランド語の「dwuwiezowy」の略で、「双砲塔」という意味。
また、この手の「双砲塔戦車」は、「ツイン・ターレット(TWIN TURRET)」とか
「ダブル・ターレット(DOUBLE TURRET)」とか呼ばれる事もあります。



「双砲塔」と言いつつも、実際の武装は「砲」ではなく二つの「機関銃」。
ですから、本当は「双銃塔」と言うのが正しいのかも知れません。
搭載しているのはポーランドでライセンス生産された「7,92mmブローニング機関銃」。



キットのヤツはあまりにも出来が悪かったので自作しました。
使用したのは「4mmのアルミパイプ」と「0,9mmの真鍮パイプ」です。
砲塔から突き出ている「太い」部分は「ウォーター・ジャケット」と呼ばれるモノで、
実際の銃身を冷やすための水が入っているパイプです。
「資料本」を見ながら、「照星」や「ジャケット留めベルト」なども工作してみました。



この戦車の一番の魅力は、もちろん
「二つの砲塔を持つ戦車」という事ですが、
二番目の魅力は、この「懸架装置(サスペンション)にあると思います。
第二次世界大戦前や初期に造られた戦車は、
大戦中に造られた戦車に比べ、複雑な懸架装置を持っている事が多く、
それが造形的には非常に面白くて、また格好良いと思うのです。
模型で作るのは大変面倒ですが。



と言うワケで、この特徴的な「懸架装置」にも、
「ABER」社のエッチングパーツやら自作パーツで手を入れてみました。
が、私は戦車の足回りを仕上げ段階でいつも「泥々」にしてしまうので、
結果、あまり意味はなかった様にも思います・・・。



全長、4,6メートル。
全高、2,18メートル。
重量、9,4トン。
乗員、3名。
時速、32キロ。



元になった「ビッカース・アームストロング6t戦車」は
ガソリンで動くエンジンでしたが、
この「7TP」にはディーゼル・エンジンが搭載されました。
その大きなエンジンを格納するため、
車体後部の機関室は大きくなり、
この様な立派な「お尻」を持つ戦車になりました。



この両砲塔の背後にあるのは「アンテナ基部」です。
キットではオミットされており、「資料本」を見ても、
これが付いている車体は滅多に見られないのですが、
「面白そうなディテールはなるべく再現してやろう」と言うのが私のモットー。
「2mmのプラ棒」と「1,3mmの真鍮パイプ」などで自作してみました。



この「MIRAGE」社のキット、その出来はかなり悪いモノでした。
ディテールは潰れているし、合わせは悪いし、もう最悪。
だいたい、プラの成形が何故か綺麗な「マーブル状」になっているし。

「これはポーランドの模型メーカーの日本のモデラーに対する挑戦に違いない」
と受け止めた私は(うそです)、徹底的に手を入れる事にしました。
ハッキリしない「リベット」は全部植え直し、
分厚い「フェンダー」や「フェンダー・ステイ」は「0,3mmのアルミ板」で
作り直しました。

そして、今回、この戦車で私が一番こだわったのが、
後部機関部の「吸気・排気グリル」でした。
キットの一体モールドで埋まっているグリル部分を開口し、
「0,3mmのプラ板」でルーバーを全部組み直しました。



自己満足ではありますが、
それだけの効果はあった様に思います。
大戦前に造られた戦車の、
あまり装甲の事を考えていない「薄っぺらさ」が
表現出来たと思います。
また、車内にはエンジンやら排気パイプやらを「デッチ・アップ」してあり、
ルーパーの隙間からそれを見る事が出来ます。
が、写真じゃまったく判りませんけど・・・。



つづきます。


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