SYU'S WORKSHOP
7TPdw 双砲塔戦車
7TPdw POLISH LIGHT TANK
(2/2)




山型の金網部分は「ワークアソシエイション」社の「黒い金網」を使い、
ヒートプレスならぬ「強制押し出しプレス」で再現してみました。



排気管もキットのヤツは使用せず、「4,8mmのアルミパイプ」で作り直してあります。
また、尾灯には「WAVE」社の「H・アイズ3ミニ」の「ピンク」をはめ込んでみました。



塗装は、「GSIクレオス」ならぬ「グンゼ産業」時代の「Mr.カラー」の
「サンディブラウン」「草色」「マホガニー」で三色迷彩しました。
また、汚しはエナメルとアクリル、パステルを併用。

「えーっと、この砲塔に乗り込む為には、まず懸架装置に足をかけて、
それから履帯を踏んで、フェンダーに上がった後、この工具箱に乗っかって、
車体に上がってから、砲塔に乗り込むんだよな、多分」
などと思いながら、汚しを入れて行きました。



工具類も全て真鍮棒で作り直してあります。
また、スコップ先端と工具留め具は「ABER」社のエッチングパーツを使用しました。
牽引シャックルは「TAMIYA」社の「ドイツ軍装備セット」の「S字シャックル」を利用して、
「ポーランド軍仕様(なのかな?)」のシャックルを作ってみました。
ロープは「0,8mmのナイロン製水糸」を使いました。



この「7TPdw」に続いて、ポーランド軍は、
スウェーデン生まれの「ボフォース37mm対戦車砲」を搭載した
「単砲塔」の「7TPjw」を製造しています。
ドイツ軍の戦車に対等に渡り合えたと言いますから、
その「単砲塔型」は「双砲塔型」よりもはるかに頼りになる戦車でした。
しかし、私はこちらの「双砲塔型」の方が断然、
格好良く感じられるのであります。

やはり私は「役に立たなかった戦車」の方が好きなのです。



「役に立たなかった」とは言え、
この「ブローニング機関銃」の太い「ウォーター・ジャケット」のせいか、
実際の非力さとは裏腹に、
模型で見ると何だかとても強そうな戦車に見えます。



今回、機関銃の塗装に、
「Mr.カラー」の「メタルブラック」を塗った後、
アクリル溶剤で薄く溶いた「黒のパステル」でウォッシングするという
突然思いついた奇妙な方法を試してみたのですが、
メタル塗料のギラつきが適度に抑えられ、
「鈍く光る使い込まれた鋼鉄」な感じが出ました。



ライトには「WAVE」社の「H・アイズ3ミニ」のクリア・パーツを使用してはめ込みました。
ライト基部からは「ICOM」社の「0,35mm黄銅線」で電源コードを車体に延ばし、
また、「ホーン(警笛)」もプラパイプ類で自作しました。



さて。

そもそも「戦車」というモノは
「異形の機械」「異形のメカ」だと私は思っているのですが、
そして、私はそこが好きなのですが、
その中でも、この「双砲塔戦車」というのは、さらに「異形」なのであります。
武装が「機関銃」という点を差し引いても、
この手の「多砲塔戦車」は、実戦で活躍する事はありませんでした。
それでも、初めて戦場でこの手の戦車を見た敵国兵士は、
やっぱり怖かっただろう、と私は思うのです。
だって、胴体に頭が二つ生えていて、
それが別々の意志で、お互い関係なく動いているんですから。
一つ砲塔の戦車よりも「何を考えているか判らない」感が強く、
不気味ではありませんか。

蛇足ながら・・・。
私が大好きな宮崎駿のテレビアニメ
「さらば愛しきルパンよ」に登場する「シグマ」という双頭のロボットは、
多分、この手の「双砲塔戦車」が元ネタなんだろうなあ、
と、いつも思っている私なのであります。



ちなみに、これが「量産型装甲ロボット兵シグマ」の雄姿です。



ドイツ軍が国境を越え雪崩れ込んできた1939年の9月。
ポーランド軍では、すでにこの「7TPdw」は一線を退いていましたが、
それでも突然の開戦で、何十台かは実戦に参加する事になりました。
そして、アッと言う間に破壊されてしまうのでありました。
ポーランドがドイツに降伏したのは、
その開戦からわずか一ヶ月後だったのであります。

もしかしたら・・・。
第二次世界大戦で一番最初に破壊された戦車は、
このポーランドの「7TPdw」だったのかも知れません。
それはそれで、
やっぱり、
格好良いなあ、「双砲塔戦車」!




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