SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.196
「エリカちゃんが」
について

(2026年5月9日)


この前 歩いて5分ぐらいの所にある いつも行く近所のスーパー「ぷちマルエツ」で、長ネギと箪4乾電池を買った帰り、幼稚園帰りらしい男の子と母親の二人とすれ違ったのですね。

店を出てから7回角を折れて進むと家に着くのですが、その4回目の角を回った所で、その二人とすれ違ったのです。
親子はずっと会話を続けていたのでしょう、でも、私が二人の会話を聞いたのは次のフレーズだけでした。
男の子が母親に向かって、こう報告していたのです。


エリカちゃんがバスをぶっ壊すって言った。


この会話の前も後も、私は知りません。
親子とは、その角を最後に お互い逆方向に離れていったからです。

「エリカちゃん」というのは、男の子の幼稚園の友達なのでしょう。
でも何が「エリカちゃん」の怒りを、そんなにまで買ったのでしょうか?
ぶっ壊してやると言われた「バス」は、「エリカちゃん」に一体何をしたのでしょうか?

それから数日間、私は寝る前には必ず この時の事を思い出すのです。
「エリカちゃん」が緑色の厳つい暴れん坊の怪物や、都市を一瞬で破壊するような大怪獣じゃない事を 心の底から願いながら。




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