SYU'S WORKSHOP
巨神兵オーマ製作記
(後編)
(7/7)
今回の造形では、
「胴体」から「一段後に下がった」ところに「頚部」があり、
反対に「前に突き出す」様に「頭部」が乗っかっています。
そうしたのは、
「頭と身体の間に影が落ちて格好良い」と
思ったからなのであります。
「身体」と「粒子加速砲」は別々に塗装した後、
接着しました。
しかし、続けて
「LED付き眼球」を「頭部」に接着し、
「上顎」の蓋を接着した後になって、
点灯するハズの「右目」が点かない事が判明したのでした。
どうやら「胸骨内」に仕込んだ配線部分が、
なんらかの理由で「断線」してしまった様なのです。
「こうなると、もうどうする事も出来ない」と理解するのに
三日かかりました・・・。
結局、
一度接着した「上顎」を無理矢理ひっぺがし、
「両眼球」に接着した「チップLED」を無理矢理むしり取り、
点灯する「左目」用の「LED」だけで「頭内部」を照らし、
その透過によって両目を光らせる事にしたのでした。
(つまり提灯の様な仕組みです)
両眼の発光は「弱く」なりましたが、
その分「単純に両眼が全面発光」するより、
眼に「光のタッチ(強弱)」が生まれ、
さらに、
「鼻梁レーザー穴」の一番上も光り
(ここの穴は頭内に貫通していたのです)、
「この方が良かったじゃない」と思う様になったのであります。
もっとも、
「この方が良かったじゃない」と自分に言い聞かせ、
渋々ながら納得するのに、
一ヶ月ぐらいかかりましたが・・・。
胸部「大胸筋」のディテールです。
この部分、漫画を見るとカット毎に描写が違い、
本スクラッチの様に「三段に分かれている」場合や、
「数段に分かれている場合」、
それどころか「分かれていない場合」など
多種多様な表現が認められます。
悩んだ挙げ句、
私は「三段パターン」を選択し、さらに、
漫画よりも多めに「腫瘍チップ」を埋め込んでみたのでした。
左手のディテール。
「右手にナウシカを持たせる」というのは
最初から計画していましたが、
「左手の仕草」にはちょっと悩みました。
結局、
「右がグーなら左はパーだ」と安易に開いた形にしたのですが、
もっと「妥当」な形があった様な気もします。
右腕のディテールです。
「巨神兵」は「製造から1000年後」に「早産」で生まれ、
さらに
「成長しつつ」も「朽ち果てていく」という実にアンビバレンツな、
複雑で捕らえ所のない形状で描写されています。
今回、私が作った「巨神兵オーマ」も、その段階の中の
「ある瞬間」であろうかと思います。
もしも。
「巨神兵」が「完成体」で産まれていたとしたら。
いや、「成体」に成長したとしたら。
多分、「輝く白い巨人」になったと私は邪推・妄想します。
(エヴァのアダムの様な)
何故なら彼は、
「旧巨大産業文明が創生した神々の眷族」
として意匠されたからであります。
腹部周辺のディテールです。
この部分「腹直筋」の「筋肉束の間隔」は、
他の場所に比べてかなり広くしたのですが、
それは全体を見て「メリハリ」つけたかったからであります。
太股のディテールです。
「膝頭」へと潜り込む各筋肉束には、出来るだけディテールを盛り込み、
「太股を構成している各筋肉をここで一端まとめている」
というニュアンスを出してみました。
これは背面のディテール。
ここも漫画では判りにくい部分なのですが、
こんなカンジで「捏造」してみました。
今回の様な「フィギュア」に関わらず、
「フルスクラッチ」には
「調査」「研究」「考察」「理論」「計画」「設計」「実践」、
そして、
「妄想」「捏造」という工程が必要だと思うのです。
ま、平たく言えば
「最初は緻密に後いいかげん」なのであります。
この「襟首」辺りは、
ちょっと私が気に入っている「形状」になりました。
そして、臀部のディテール。
多くの「クリーチャー」の中でも「巨神兵」ほど、
「真面目なお尻」を持つ「モンスター」はいないのであります。
もう一回、「マウスポインタ」を画面に置くと、
「プロトン砲」を撃ちます。
と言うワケで。
「母さん・・・」
「ぼく 立派な人になれたか 心配だ・・・」
「オーマ あなたは私の自慢の息子です」
「誇り高く けがれのない心の 勇敢な戦士です・・・」
「オーマ!」
ところで、この「巨神兵オーマ」、
「2006年 静岡ホビーショー」の「合同作品展」に持っていったのですが、
その際に持ち運びするため「オーマ」の大きさに合わせ、
急遽「段ボールの箱」を自作しました。
しかし、とても「いびつ」です・・・。
「垂直」や「水平」が全然出ていません・・・。
こうして、
「巨神兵オーマ」は、ま、何となくそれなりに出来ても、
「段ボールの箱」を作るのは「とっても下手」な事が
今回、判明したのでありました・・・。
てへへ。
本当に本当に本当に!
とっても長い製作記、最後まで読んで下さいまして
ありがとうございました!
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