SYU'S WORKSHOP
モリアーティの潜航艇製作記
(前編B)
(2/6)
![](sub080.jpg)
「潜舵」を作っていきます。
まず紙でバランスの良い大きさや形状を決めていきます。
![](sub081.jpg)
次にその「断面図」を設計図に書き、
そこから「潜舵」を構成するパーツを出していきます。
「等高線」で作られた「立体地図模型」の要領です。
ひとつの「潜舵」は「1ミリプラ板」5枚で作りますので、
「潜舵」の厚みは5ミリという事になります。
「船体」を串刺しにした「1,5ミリ真鍮線」、
その両端にプラ板の「潜舵」を差し込んであります。
もちろん完成時には串刺しの真鍮線はありませんが、
こうして「潜舵」の水平や取り付け位置を確認して
作業を進めていくのです。
![](sub084.jpg)
等高線仕様プラ板製の「潜舵」にポリパテを盛っていきます。
フルスクラッチをする場合、
何が一番神経を使うかと言えば
「左右対称」のモノを作る時です。
全く同じ形状のモノを幾つか作るのは、
単に根気よく作業していけば良いだけなのですが
(キャストで複製という手もあるし)、
「左右対称」というのは
正確に「対称形」になっているか一々様子を見ながら、
作業を進めていかなければならないのです。
ポリパテを盛った「潜舵」を紙やすりで削っていきます。
そうすると、
まるで「マグロのサシ」の様に中の白いプラ板が見えてきます。
これが「左右が均等に対称しているか」の基準となります。
この「プラ板のサシ」が左右でピッタリあっていれば、
二つの立体物は正確に「左右対称」なのであります。
![](sub086.jpg)
「船体」と「潜舵」の奇麗な接合面を作ります。
この作り方は「艦橋基部」を作った方法と同じです。
「潜舵」側にポリパテを盛り、
透明セルを貼った「船体」に密着、
完全に硬化後、それを取り外し、
周りにはみ出たポリパテを整形すれば、
「潜舵」はピッタリと「船体」に繋がるのであります。
もちろん「潜舵」は「可動する舵」ですから、
接地面から少し離れた場所に「スジ彫り」を施しておきます。
「ここから先は動くのだ」を意味するスジ彫りです。
![](sub091.jpg)
艦橋の手前にある「船体上の膨らみ」を作ります。
これは「パッシブ・ソナー収納部」、
なんてモノはこの時代にはありませんので
おそらく「魚雷搬入口」かなんかなのでしょう。
プラ板で作った薄い円柱と盛ったポリパテ。
作り方は「艦橋基部」「潜舵基部」と同じです。
こうしてピッタリと「船体」に合う事が出来ました。
これらのモノ(艦橋、潜舵、魚雷搬入口)は今は船体には接着しません。
今後の続く作業の邪魔になるからであります。
今回は「ポリエステル・パテ」が大活躍しています。
新しく買ったポリパテの太いチューブが、
見る見る減っていくのであります。
もっとも、実際に形になったモノより
「削って粉になってゴミになった」方が
遙かに多いのですけれども。
虚しいけども、そういうモノなのであります。
つづきます。
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