SYU'S WORKSHOP
モリアーティの潜航艇製作記
(前編B)

(2/6)




「潜舵」を作っていきます。
まず紙でバランスの良い大きさや形状を決めていきます。



次にその「断面図」を設計図に書き、
そこから「潜舵」を構成するパーツを出していきます。



「等高線」で作られた「立体地図模型」の要領です。

ひとつの「潜舵」は「1ミリプラ板」5枚で作りますので、
「潜舵」の厚みは5ミリという事になります。



「船体」を串刺しにした「1,5ミリ真鍮線」、
その両端にプラ板の「潜舵」を差し込んであります。

もちろん完成時には串刺しの真鍮線はありませんが、
こうして「潜舵」の水平や取り付け位置を確認して
作業を進めていくのです。



等高線仕様プラ板製の「潜舵」にポリパテを盛っていきます。

フルスクラッチをする場合、
何が一番神経を使うかと言えば
「左右対称」のモノを作る時です。

全く同じ形状のモノを幾つか作るのは、
単に根気よく作業していけば良いだけなのですが
(キャストで複製という手もあるし)、
「左右対称」というのは
正確に「対称形」になっているか一々様子を見ながら、
作業を進めていかなければならないのです。



ポリパテを盛った「潜舵」を紙やすりで削っていきます。

そうすると、
まるで「マグロのサシ」の様に中の白いプラ板が見えてきます。
これが「左右が均等に対称しているか」の基準となります。

この「プラ板のサシ」が左右でピッタリあっていれば、
二つの立体物は正確に「左右対称」なのであります。



「船体」と「潜舵」の奇麗な接合面を作ります。

この作り方は「艦橋基部」を作った方法と同じです。



「潜舵」側にポリパテを盛り、



透明セルを貼った「船体」に密着、



完全に硬化後、それを取り外し、
周りにはみ出たポリパテを整形すれば、



「潜舵」はピッタリと「船体」に繋がるのであります。

もちろん「潜舵」は「可動する舵」ですから、
接地面から少し離れた場所に「スジ彫り」を施しておきます。
「ここから先は動くのだ」を意味するスジ彫りです。



艦橋の手前にある「船体上の膨らみ」を作ります。

これは「パッシブ・ソナー収納部」、
なんてモノはこの時代にはありませんので
おそらく「魚雷搬入口」かなんかなのでしょう。



プラ板で作った薄い円柱と盛ったポリパテ。

作り方は「艦橋基部」「潜舵基部」と同じです。



こうしてピッタリと「船体」に合う事が出来ました。

これらのモノ(艦橋、潜舵、魚雷搬入口)は今は船体には接着しません。
今後の続く作業の邪魔になるからであります。



今回は「ポリエステル・パテ」が大活躍しています。
新しく買ったポリパテの太いチューブが、
見る見る減っていくのであります。

もっとも、実際に形になったモノより
「削って粉になってゴミになった」方が
遙かに多いのですけれども。

虚しいけども、そういうモノなのであります。



つづきます。

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