SYU'S WORKSHOP
モリアーティのアジト2製作記
(中編)

(6/6)




そろそろ「ジオラマのレイアウト」を決めていきます。

真ん中の写真は試行錯誤してよくやく決めた「レイアウト」です。
これを基本に「セメダイン スーパーX」で、
ひとつひとつの小道具を舞台に接着していくのです。



配置しなければならない小道具は、
大小合わせて「数百個」にも及びます。

それを「奥」から決めて接着し、
次に「手前」のレイアウトをするのです。



ひとつひとつ位置を決めて接着していく作業は、
とても神経を使うと共に楽しい作業でもあります。

これが「ジオラマ製作の醍醐味」なのかも知れません。



いよいよフィギュアの話をします。

友人の「TAKEDAさん」に頼んであった、
「トッド」と「スマイリー」のフィギュアが出来上がって来ました。

「TAKEDAさん」は以前のジオラマでも
「モリアーティ教授」と「ハドソン夫人」を造ってくれた方です。

彼はプロの造形師ですから、
仕上がりも当然見事なモノなのでした。



とは言え、
僭越にも「蝶ネクタイ」の形を変えたり、
服や胸ポケットに「ボタン」を付け加えたり、
手首の角度を調整したりと、
いろいろと変更させて頂きました。



これは「トッド」が持つ「フランクフルト」です。

「TAKEDAさん」のフィギュアは
「ポリ・パテ」を「盛って削って」造って行ったそうですが、
私の「フランクフルト」は「エポ・パテ」で作りました。



これは「トッド」が持つ「漫画本」です。

名探偵ホームズの「小さな依頼人(監督・宮崎駿)」の中で、
「トッド」が読んでいたモノを参考にスクラッチしました。



フィギュアは、まず全体色(服の色)でエアブラシして、
面相筆を使い「エナメル塗料」で細部を塗っていきました。



こうして「トッド」と「スマイリー」が完成しました。
木槌を持ち働く「スマイリー」と、漫画を読みサボっている「トッド」です。

悪者のリーダー「モリアーティ教授」は賢くていつも犯罪を企て、
手下A「トッド」は要領も良くて狡賢く、
手下B「スマイリー」は心優しくも、毎回みんなにこき使われ・・・。

これは大昔から私が愛する
東映動画の悪者3人組の系譜」なのであります。



「トッド」と「スマイリー」の手の色が変なのは、
彼らが「手袋」を嵌めているためです。

同様に足にも「ソックス」を履いています。



ところで。

「TAKEDAさん」にフィギュアの発注した際、
焼き鳥屋でビールや冷酒をしこたま飲ませ、
串焼きや唐揚げ、肉じゃがやトマトサラダ等々、
たくさんのツマミを注文して食わせ、
その後、近くのラーメン屋に無理矢理誘い、
特製チャーシュー入り大盛り味噌ラーメンと餃子を頼み、
そこでもビール2本を飲ませ、
しばらく穏やかに談笑した後、やおら慇懃無礼に、
「で、さ。『小さな依頼人』に出てくるも造ってくれないかな」
と切り出したのですがー。

「えっ!!猫もですかぁ〜!?」
と吃驚されてしまいました・・・。

数ヶ月後、
出来上がったフィギュアの受け渡しがあったのですが、
「やっぱり猫は出来ませんでしたぁ」と
この「製作途中の猫」を渡されたのでした。

「後はSYUさん、自分で造ってね」と言われたのですが、
そんなゆとりも「技術」も私には無いのでした・・・。
がるる。



以前から集めていた「19世紀ビクトリア朝時代」の
写真を縮小コピーし、切り抜いていきます。

「タイタニック」「機関車」「万国博覧会」
「ビクトリア女王」の写真やポスター等々です。

これをジオラマの壁に貼り「19世紀」の雰囲気を出すのです。



また「潜航艇の設計図」も捏造し作画しました。

当時には当然コピー機などないので、
「青写真風」にしてみました。



私がフルスクラッチに使う素材は
「プラ板」「パテ」「キャスト」「真鍮線」ばかりではありません。

特に本ジオラマには「ドールハウス」の匂いを出すため
本物の「布地」も少し使うのです。

「ユザワヤ」で買って来た「端切れ100円セール」。
そこで「犬」が描かれた「ウール地」が売っていました。

これを「トッド」と「スマイリー」が寝ている
「ベットの掛け布団」にします。
「犬が犬の布団で寝てる」のが面白いなあ、と思ったのです。



てな事を言いつつ、
「♪君の行く道は果てしなく遠い〜♪」と大昔の唄を口ずさみ、
今回はここまでなのであります。


長い製作記、最後まで読んで頂き、
本当にありがとうございました。

次回は「後編・完結編」。
いつになったらアップ出来るやら・・・。



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