「ギンビス」が止まらないのです。 「ギンビス」とは「ギンビスのアスパラガス・ビスケット」の事であります。 私を知っている方は意外だと思われるかも知れませんが、私はあまり「菓子類」を食べないのです。 しかし、この「ギンビスのアスパラガス」だけは別格です。 しょっちゅうではありませんが、たまに思い出した様に、これが無性に食べたくなるのです。 そして一度食べ始めると途中で止める事が出来ず、袋の中が空になるまで、最後まで食ってしまうのです。 ポキ。 パキ。サク。パリ。 サクポリ。バリボリ。パキパキ。 ボリバリボリバリサクボリバリボリサクサクボリボリバリバリボリ。 この食感のポリポリ・サクサク感は、とても癖になるのです。 今日日、この「ギンビスのアスパラガス」をご存じない方はいないと思いますが、一応ご説明させて頂きますと。 これは文字通り「ビスケット」であります。 野菜の「アスパラガス」の形状を真似たビスケットです。 分枝した茎の様な形を持つ、全長10センチの細長いビスケットです。 小麦粉に砂糖とショートニングを加え、表面をこんがり焼いたお菓子です。 全体に塗された塩と黒胡麻の絶妙な配合が、とても美味しく後を引くお菓子なのです。 「ギンビス」のもう一つのヒット商品はあの「たべっ子どうぶつ」ですが、「アスパラガス」の方が断然売れ筋商品なのであります。 「ギンビス」の創業は昭和5年。 来年2010年は「創立80年」と、驚くほど長い歴史を持つ老舗メーカなのでした。 そもそも私は子供の頃から「アスパラガス」が好きでした。 本物、野菜の「アスパラガス」の事です。 八百屋で売られていた「グリーン・アスパラガス」より、その頃は細長く円筒形の缶詰に入った「ホワイト・アスパラガス」の方が主流だった様に思います。 今とは違い旬を大事にする「グリーン・アスパラガス」は、あまり八百屋に並ばなかったのかも知れません。 私が好きだったのも「缶詰のホワイト・アスパラガス」の方でした。 他の缶詰とは明らかに違う、あの細長く特殊な缶詰の形態が、「どうだ。俺、アスパラガスなんだぜ」と、とても強く自己主張している様に思えたのです。 缶切りを使い缶を開け、中身を取り出す時には細心の注意が必要でした。 柔らかに茹でられぎっしり詰まった「アスパラガス」は、いとも簡単に崩れてしまうのです。 特に最初の一本を取り出す時の、あの張り詰めた緊張感は今でも忘れる事が出来ません。 箸を差し込み、その一本を無事取り出す事さえ出来れば、中に隙間が開き、他の残りを簡単に取り出せるのです。 それに失敗すると悲惨な事態が待っています。 よく最初の一本を取り出す時、箸で掴んだ「穂先の先端」だけが取れてしまうと言う大事故が、あの当時日本各地で起こっていたハズでした。 そうなったら最後、済し崩し的に残りの「アスパラ」も無傷では済まないのです。 幸いな事に全ての「ホワイト・アスパラガス」が無事、缶から皿に移し替えたとします。 そこで登場するのが、あの「マヨネーズ」です。 一本一本、先端から根元まで丁寧に丁寧にマヨネーズを絞り出して行くのです。 アスパラガスの冷たく柔らかい食感と、マヨネーズのまろやかで豊かな酸味のコンビネーションほど、素敵な組み合わせはないのではないでしょうか。 「俺はもしかしたらアスパラガスが好きなんじゃなくて、単にマヨネーズが好きなのかも・・・」と何度も何度も自分に自答したモノです。 私は何でもマヨネーズを付ける子供だったのです。 ちなみに、私は昔から「キューピー派」でした。 一時期、「やっぱ味の素の方がマイルドだよな。この旨さが判る様になったなんて、へへ、俺も大人になったのかな」と「味の素派」に変更した事もありました。 いや、そんな事ぁどうでも宜しい。 「ギンビスのアスパラガス」の話です。 缶詰の「ホワイト・アスパラ」を真似ているワケではないのでしょうが、「ギンビスのアスパラガス」も袋を開ける時がちょっと難しいのです。 袋には開封した後、根元を縛るための「針金入りビニール紐」が付いています。 ↓ これです。 ↓ しかし私はこれを使った事がありません。 それは開封して最後まで一気に食ってしまうからです。 もう一つの理由は、綺麗に袋を開けられないからです。 この様にちゃんと開けられれば良く、 ↓ 「ビニール紐」も立派に役に立つのでしょう。 ↓ こうです。 しかし私が開くといつもこうなってしまうのです。 ↓ これでは「ビニール紐」も役には立ちません。 そもそも袋を開けるための「切れ込み」が、この位置に入っているのが間違いだと思うのです。 これは明らかに「縦に裂いてくれ」と言ってるじゃないですか。 ↓ まあ、 そんな事ぁ良いとして。 「ギンビスのアスパラガス」のパッケージ裏には「食べ方提案」がイラスト付きで紹介されています。 例えばこんな感じです。 「アイスクリームのトッピングにアスパラガスはいかがですか?ほんのり塩味が意外な美味しさ」。 「ビスコッティ風アスパラガス」として「コーヒーやエスプレッソにつけていただきます」。 「ビスコッティ」とはカプチーノなどに浸して食べるイタリアの焼き菓子の事です。 「アスパラガスにハンバーグの種をつけて揚げます。ケチャップをつけて食べるとおいしいです」。 「おにぎりに刺して手足のように飾ります。お弁当やパーティの時などに」。 皆とんでもない事です。 もし貴方の愛息子が幼稚園の遠足の時、昼に開けた弁当箱の中に「ギンビスのアスパラガス」を付け人型に見立てた「おにぎり」が入っていたとしたら・・・。 私はあてどなく流れ落ちる涙を、決して堪える事は出来ないでしょう。 全部無理矢理です。 食品メーカは昔から、この手の「新しい食べ方提案」を打って来ました。 商品市場を広げるためです。 有名なヤツは、「ハウス食品」が「ククレカレー」でやった「おせちも良いけどカレーもね!」でありましょう。 これによりレトルト・カレーの可能性が莫大に広がったのです。 聞いて思わず大笑いした広告もありました。 「ネスレ」の「ネスカフェ・インスタントコーヒー」が冬場に展開した、「湯豆腐とコーヒー、結構合うじゃないか」ってヤツです。 「そんなん合うかっ!!」と思わずテレビの前で絶叫したモノです。 まあ、そんな事ぁ良いとして。 私は「ギンビスのアスパラバス」をテレビやDVDを観ながら、またパソコンを打ちながら食う事が多いのです。 酒を飲みながらツマミとして食う事もあります。 ほんのり利いた塩味が「酒の肴」として有効なのです。 とは言え所詮は「お菓子」。 一袋平気で食ってしまうのはカロリー的にヤバイのかも知れません。 どれどれ。 袋に書かれた栄養成分表を見てみると・・・。 あっ!! 「エネルギー499kcal」もありやがる! 普通のポテトチップよりあるじゃないですか! これが。 私が常々唱える「美味しいモノは太るなりの法則」の所以なのであります。 ちなみにマヨネーズは今、再び「キューピー派」に戻っている私です。 |
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