SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.117
「その後の宇宙船が生まれた日」
について

(2010年6月5日)


前に書いた「宇宙船が生まれた日」の宇宙船、あ、いや、鉄塔の顛末なのであります。



この鉄塔は「美化鉄柱」と呼ばれ、最近、住宅街等でよく見かけられる形です。
街の美観を損なわず、占有面積が少ないのが特徴です。

前回、私はこの建設途中現場を見つけ、「完成した暁にはどうやって隣の鉄塔から電線を結ぶのだろう?」と疑問に感じていたのです。



いろいろ調べてみた結果、この場所には元々「トラス型鉄塔」があったという事が判りました。

同じ場所で「トラス型鉄塔」→「美化鉄柱」とは盲点でした。

改めて見ると、確かに根元に「トラス型鉄塔の名残り」がありました。
元の鉄塔を貫くように「美化鉄柱」を建てていたのです。



前回の写真を見直すと、電線はすでに繋がっていた事が判ります。



「美化電柱」完成後、前の鉄塔にあった電線を「高く持ち上げる」だけだったのです。

それは一日で終わる作業ではなく、何日もかけて一本一本行いました。
その電線の電気を切って置かなければならないからです。



イラストで展開すると、こうなります。
「美化電柱」が完成し、電線を正しく繋いだ後、元の鉄塔は撤去するのです。



手前にあるのが「トラス型鉄塔」。
奥にあるのが「美化電柱」です。



どうやら私の近所の鉄塔は、順次「トラス型」から「美化電柱」に建て替えているらしいのでした。



こうして「美化電柱」は完成しました。



しかしまた確実に、



都会の空は切り裂かれて行くのであります。



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