今回はいつもの「漫画における『ない』けど『ある』」じゃなく、「赤塚不二夫」について考えてみたのであります。 しかも、「赤塚不二夫」総論ではなく、「赤塚不二夫のコレ」について考えてみたのであります。 「コレ」とはコレであります。 ↓ 「コレ」は一体何なんでしょうか? 上の絵は「天才バカボン(1967〜78)」からですが、赤塚不二夫の極初期の作品や「奇麗な女性キャラ」を除き、皆、「コレ」を描いているのです。 私は最初、「ノドチンコなのだろう」と思いました。 「口蓋垂(こうがいすい)」だと思っていたのです。 しかし、口蓋垂(えーい面倒臭い)ノドチンコにしては、描かれる位置が下過ぎます。 しかも、この絵に色が付く時には「顔の色」と同じ色で塗られているのです。 「ノドチンコ」であるなら、それは「顔の色」より「口の中」より暗い色であるべきです。 子供の頃、私はワケが分からず、それでも赤塚漫画を描く時は、いつも「コレ」を描いていたのです。 「コレ」がないと赤塚不二夫にならないのです。 「コレ」が何なのか判ったのは、それから数年してからでした。 ↓ この絵は作者代わって「藤子不二雄」の「忍者ハットリくん(1964〜68、81〜88)」の「ケン一」です。 矢印が示しているのは「ケン一の舌」です。 これを見ると「赤塚不二夫のコレ」が何なのかが判ります。 「コレ」は・・・。「舌」なのでした。 ↓ 大昔の漫画には「舌」は描かれませんでした。 それがある時、口の中の膨らみとして「舌」が描かれる様になりました。 時には舌のセンターに走る凹み「舌正中溝(ぜつせいちゅうこう)」も描かれる事もありました。 上の「ケン一の舌」は、それを描いたモノであります。 つまり、「赤塚不二夫のコレ」は、「舌正中溝」を「極端」に表現した「舌」だったのです。 当時「森田拳次(1939〜)」も同様の「舌」を描く事がありましたが、「赤塚不二夫(1935〜2008)」ほど統一はされていませんでした。 また、赤塚は「口」と「舌」をつなげて一筆で描いているのです。 さすが天才、赤塚不二夫。 これでいいのだ〜。 |
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