「サイバーパンク」とは、コンピュータやネットワークによって全ての事象が管理・コントロールされた近未来の物語です。 「電脳世界」とも呼ばれます。 「ウィリアム・ギブソン」の小説「ニューロマンサー(1984)」や、漫画やアニメの「攻殻機動隊(1989ー、1995)」の世界です。 そこから派生した「スチームパンク」というのもあります。 「蒸気機関」によって全てが成り立っている架空世界の物語です。 そこではコンピュータも蒸気(ボイラー)と歯車によって動くのです。 前出「ウィリアム・ギブソン」の小説「ディファレンス・エンジン(1990)」や、アニメの「天空の城ラピュタ(1986)」、大友克洋の「スチームボーイ(2004)」の世界です。 そこでさらに「ラバーパンク」という世界を考えました。 「電脳」でも「蒸気」でもなく、「ラバー」、全てが「ゴム動力」で動く架空世界です。 10年前、ウチのサイトの掲示板で常連さんたちと一緒に、「ラバーパンクってどんな世界?」というのを考えたのでした。 今回のエッセイは、昔の記録を引っ張り出して書くのであります。 「ふと思った、とても下らないネタなんですけども。 私の好きなSFの世界では『蒸気機関が発達した架空の19世紀末』というジャンルがありまして、それを『スチームパンク』とか呼んだりするのですが。 こおいうのはどうでしょう? 『ゴム動力が発達した架空の19世紀末』の世界、『ラバーパンク』です。 人が乗る飛行機も自動車も船もみんな『ゴム動力』で動いているのです。 もちろん初期の自動計算機(コンピュータ)も『ゴム動力』なのです。 真面目に考えると、ちょっと面白いSF世界を作れるかも知れませんねー」。 これを私が書いたのが「2005/03/04 (金) 02:28」でした。 今から「12年近く前」の事です。 ここから判るのは、人の頭、つーか私の頭というのは進歩しないモンだという事です。 発想というか文章の書き方というか、今と全然変わっていない。まったく進歩がない。 情けない。 ま、そんな事はおいておいて。 以下、当時の「ラバーパンク談義」を再録するのであります。 誤字脱字は修正、書き手によって変わる文体も読みやすく統合、冗長な文章も再構成させて頂きました。 また、当時の常連さんのお名前も、 「ゴム研の」さん→「G」 「秋津」さん→「A」 「腰痛」さん→「Y」 「私(SYU)」→「S」 と簡略化させて頂きました。 それでは。 「ラパーパンクへようこそ」なのであります。 G。2005/03/04 (金) 22:42。 アハハハ、と笑ってしまいました。Sさんのセンスたるや驚き桃の木です。 似たようなことを昔、考えたことがありまして、それは「お湯式魔法瓶」。 いつも口いっぱいにお湯を入れておけば、中のお湯の温度を保つ、てなモノです。 お湯が減るほど、保温効果は低下するのです。 S。2005/03/05 (土) 06:00。 「ゴム動力が全てを支配する19世紀末の架空世界」という発想は、SF者なら誰しも思い浮かべる事かも知れません。 私が知らないだけでラバーパンクSF小説は、もうすでに、あるのかも知れません。 でも、せっかくなので、もう少し私の妄想を広げてみますと・・・。 「その船の最下層にあるゴム室は実に壮観な眺めであった。 幅15メートル、長さ50メートルに及ぶ巨大な空間に、端から端まで力強く捻じ巻かれたゴムが数千本も伸びているのだ。 しかも、通常の航空機に使用される10センチ経ではなく、ここで使用されているのは50センチ経の輪ゴムなのだ。 250名の乗客を乗せ、完璧にゴム動力だけで英国と米国を往復できる船は我が『クイーン・ハドソン号』だけです! 機関室長のケペック氏は、見事な口ひげを震わせて誇らし気にそう語った」。 なんて、ね。 数字に関しては、まったく検討していない適当な数値でーす。 多分、この「架空の19世紀世界」では、ゴムの産地である東南アジアの覇権を巡って、英国とロシアが戦う事になります。 (結局、ロシアは英国に負けてしまい、その後、ロシア革命へと続くのですが) 登場するは、数々の珍妙な「ゴム動力機械」たち! 軍人や新聞記者、そしてマッド・サイエンティストたち! そんな中、ロンドンの下町で起こった不可解な殺人事件。 それは全世界を巻き込んでいく、驚愕の大事件の発端に過ぎなかったのでした!。 A。2005/03/11 (金) 01:53。 面白いので、私なりに妄想を膨らせてみました。 人が乗れる「ゴム動力飛行機」! これだけでも凄く魅力的な世界です。そこには「レシプロエンジン」も「電気モーター」も無いのですね? 「ゴム動力の船で大西洋を横断しようとすると、仮に米英間を9000キロ、プロペラ1回転で1メートル進むとして『「約900万回』ゴムを巻かないといけません。これは大変な労力です。 外洋船が停泊する港には、大量の『ゴム巻き労働者』が危険で過酷な労働に就いています。 巨大なプロペラを回す太いゴムを巻くには、数人から数十人の労働者がチームで昼夜、巨大なワインダーを巻く必要があるのです。 『おれたちゃ、ガレー船の漕ぎ手みてぇなもんさ。 違うのは船が沈没しても関係無えって事くらいだぜ』。 労働者の一人が、自虐的につぶやきます。 『ポチョムキン号の反乱』は水夫が起こしたのではなくて、実はオデッサの『ゴム巻き労働者』が起こしたのでありました」。 そんな文明の進歩はどんな風になるのでしょうか? まず、ダムを作って水力発電ならぬ「水力ゴム巻き」が発達します。 水の落下エネルギーを回転に変え、ギヤで回転を落としトルクを上げる。そして下流の町まで、関節を持った長大な「シャフト」を敷設するのです。 これによって、人々は毎日のゴム巻きから解放され、町にはガソリンスタンドならぬ「ゴム巻きスタンド」ができ、モータリゼーションが起こります。 でも、電気は無いので、灯りはランプという不思議な世界になるでしょう。 G。2005/03/11 (金) 20:12。 胎動を見せていた「産業革命」と思われた時期は、Aさんのリポートのように内実は「ゴム動力の隆盛期」であった。 しかしそれ以前、つまりコペルニクス没後10数年、地球の自転について思索を巡らせていたとある科学者は、ついに「地球自転ゴム動力説」を発表する。 そしてそれを実証すべく、「ピサの斜塔」内で地球の模型による実験を試みた。 残念な事に実証には失敗したのだが、科学者の弁によれば「斜塔が『23度26分』まで傾いた暁にこそ、実験は成功するのだ!」のであった。 Sさんリポートの「ゴム動力計算機」は既に実用化されていて、それを用いた円周率計算がやっと100桁をオーバーした頃の物語である。 S。2005/03/12 (土) 03:57。 「ラバーパンク」ネタは、ちょっと気に入りつつあるので、話題が続いてくれて実に嬉しい、楽しいのであります。 Aさんへ。 「ゴム巻き労働者」とは、とても良いアイディアですね! 「外洋船が停泊する港には大量のゴム巻き労働者が危険で過酷な労働に就いています」というディテールも素晴らしいです。 おそらくこの世界では、ロンドンの最下級層や地方からの出稼ぎ、さらに外国からの不法滞在者たちが大勢その「危険なゴム巻き」に従事しているのでありましょう。 昼間から「ジン」の臭いをプンプンさせながら。 > そして、そこにはレシプロエンジンも電気モーターも無いのですね? そうなのです。 いや、「内燃機関の概念」を提唱している科学者もいる事はいるのですが、周囲からキチガイ扱いされているのです。 何故なら、この世界では「石炭」も「石油」も産出されない(もしくは稀少である)のです。 何故かと言うと・・・。 これは次回に続くのであります! Gさんへ。 「地球自転ゴム動力説」も実に魅力的な発想ですねー! が、これを提唱した科学者はこの世界でも「異端」扱いされているでしょうね! それ以前に「太陽ゴム動力内燃説」を唱えていた科学者は、宗教裁判で処刑されていますからねー。 わはははは。 この世界の科学年表は、 1765 「ワット」による「ゴム動力機関」の実用化 1804 「トレビシック」による世界初の「ゴム動力機関車」 1807 「ゴム動力船 クラモント号」アメリカで運航 1822 「バベッジ」による「ゴム動力差分機関(ディファレンス・エンジン)」 1866 「ダイムラー・ベンツ社」による普及型「ゴム動力自動車」完成 1900 「ブランク」のゴム動力量子論 1903 「ライト兄弟」の「ゴム動力飛行機」の成功 てな感じでしょうかー。 A。2005/03/12 (土) 13:17。 現実問題として「ゴム動力」で(模型じゃない)乗り物を作ろうとするとエネルギーの蓄積効率が悪すぎるので、ちょっとした技術的小細工が必要になりますね。 輪ゴムは5倍くらいまで伸びますが、それ以上伸ばすと切れてしまいます。 少なくとも数10倍から数100倍は伸びないと実用化できません。 ゴムの製造技術者だった「ジェームス・ワット」は偶然、通常の3倍も弾力のあるゴムを作ります。 何故、同じ製造方法なのに違うゴムができたのか。 原材料を詳細に調べた彼は、ゴムの樹液に「ココナッツミルク」が混入して、それに、ある種の蟻が群がっていたのを発見したのです。 この蟻に含まれる「酵素」が強力なゴムを作ったのでした。 これは「アントラ・バージニン」と呼ばれ、後に分離、合成、そして改良され、「ゴム動力世界」を可能にしました。 よって、この世界では「化学工業」と「生化学」は現代以上に進んでいます。 「ゴム動力顕微鏡」で原子レベルの観察が可能になり、遺伝子の組み換えは、19世紀後半から研究が始まり20世紀初頭には完成された技術になっています。 「動力源が確保されれば機械工業も進む」という訳で、「機械式ゴム動力コンピューター」の下地もできていたのでした。 で、飛行機に関しても、もう少し実用化が早まっていたほうが楽しいと思うのです。 ライト兄弟は実際より50年ほど早く生まれて、「ゴム動力羽ばたき機」での飛行に成功しますが、振動が激しすぎて脳震盪を起こし、「カーティスの固定翼機」に実用の座を譲ったのでした。 A。2005/03/12 (土) 13:30。 あ、今思いついたのですが、「飛行機」より「ゴム風船」を使った「気球」や「飛行船」が発達していそうですね。そのほうがリアルか。 G。2005/03/12 (土) 23:01。 例の「地球自転ゴム動力説」を発表した科学者は「ロッソ・アリステレー」という名前だそうです。 敬虔なクリスチャンであり、イタリア留学中の「コペルニクスの宿舎の主人の甥」でありました。 学説発表に際しても、また「ピサの斜塔」での実験の時も、周囲の人はおろか「バチカン」からも、何のお咎めも無かったのでした。 イタリア人ゆえの心広い所業ではなかったでしょうか。 しかし、「アリステレー」はそうしたぬるま湯環境に疑問を抱き、ピサの斜塔が「23.26度」まで傾くのはいつなのか知ろうとします。 当時イタリア北部には手工業から脱した事業家が輩出していて、ギルドの発達をみせていました。 彼は「トリノ」のそうした一軒に出向き、「ゴム動力高速計算機」による斜塔の傾斜速度シミュレーションを依頼したのでした。 結果、「どうも生きてる間に目標の傾斜は望めない」と知った「ロッソ・アリステレー」は、こうして次なる実証試験に向けて動き出すのでした。 S。2005/03/13 (日) 08:56。 Aさんへ。 なるほど「アントラ・バージニン」ですか。 この「ゴム動力世界」のゴムは我々の知っているゴムとはちょっと違う性質の物なのですねー。 それにしても「ゴム動力顕微鏡」って一体何? 「ゴム動力飛行機の誕生」に関してはおっしゃる通りですね。 1903年のライト兄弟まで待っていると、ちょっと遅いですね。 ここは一つ「飛行機の父」と呼ばれている「ジョージ・ケイリー」に頑張っていただいて、1800年代の半ばには、最初の「ゴム動力飛行機」が誕生した、という事にいたしましょう。 > 飛行機よりゴム風船を使った気球や飛行船が発達していそうですね。 確かに気球や飛行船も、この世界では我々の世界よりも発達していたと思います。 たくさんの気球をつけて小さな「建物」ぐらいなら空に浮かべていたかも知れませんね。 「空中移動式病院」とか「空中移動式パブ」とか。 が、しかし、やはりそれらでは「移動速度」に不満を感じていたのです。 そこで「ゴム動力飛行機」の開発競争が起こったのです。 いや何より、人々は『翼』を手に入れたかったのであります! Gさんへ。 「地球自転ゴム動力説」にご執着ですねー! とても素敵です。 「ロッソ・アリステレーの人生」関係は、全面的にGさんにお任せいたします! ところで、何故この世界では「石炭」や「石油」といった資源が無いのかというと・・・。 S。2005/03/13 (日) 09:24。 この「ゴム動力世界」の人びとも、現在の我々も「地球が出来た→生命が誕生した→恐竜が生まれた→人間が生まれた→人間の文明社会が発展した」という共通認識を持っています。 (恐竜時代の熱心な信奉者は、当時オックスフォードで人類史の教鞭を執っていた「チャレンジャー教授」でありました) 1)BC46億年 地球誕生 2)BC40億年 生命誕生 3)BC1億年前後 恐竜時代 4)BC500万 人類の祖先 5)BC250万 石器時代 6)BC20万〜4万 旧人から新人へ 7)BC1万 文明の夜明け 8)BC4 キリスト生誕 9)AC30 キリストの処刑 こおいう流れです。 が、しかし。 これは本脳内妄想小説「ラバーパンク」の本筋とは関係ない設定なのでありますが、これが実際の小説ならば「最後の最後10ページ」ぐらいで明らかになる「驚愕の事実」なのでありますが。 「ゴム動力世界」は、1)〜6)までが「存在」していなかったのです。 それまでは地球は全くの『無』だったのであります。 いや地球自体も『無』だったのです! 化石燃料と言われる「石炭」や「石油」が産出されない・発見されない・あっても稀少的である、という理由も、そこにあったのであります。 この世界には「石炭」や「石油」になる「太古の生命」など、初めから「存在」していないのです。 じゃ、いつ、誰が、この世界を、我々人間を造ったのか? 何のために・・・? などという余韻を残して、多分、この小説「ラバーパンク」は終わるのであります。 『SF』だぁー! なんていう設定を考えてみたのですが、みなさん、どうでしょうかー? Y。2005/03/13 (日) 13:12。 「ラバーパンク」の話、大変興味深く拝見いたしております。 > ・・・などという余韻を残して、多分、この「小説ラバー・パンク」は終わるのであります。 いやー、私の好みの終わり方であります。 ちなみに、私が勝手に妄想ししたラスト・シーンはこうです。 「丘の上に並んで腰掛け、星空を見上げている老人と少年・・・。 老人『・・・じゃがな、大切なのは、わしらは生きているということじゃ。そして、この世界は、様々な矛盾を孕んではいるが、十分機能していると言うことじゃ』。 少年は眠そうに、老人に項垂れる。 老人は 少年の肩を抱き、話し続ける。 老人『そして、わしらが活力を失わない限り、この世界は決して終わらない・・・わしはそう信じておるんじゃ』」。 A。2005/03/14 (月) 00:30。 Gさんへ。 「地球自転ゴム動力説」って、すごく壮大で魅力的な響きがありますね。 いったいどんな理論なのでしょうか。 その名前から私が勝手に考えたのは、「太陽の下から巨大な針金が伸びて、その先に地軸が繋がってゴム動力でくるくる回っている」っていうイメージでした。 でも、これはあんまりなので次に考えたのが「地球空洞説の亜種」。 地殻の真ん中は空っぽで、中心には重たいコアがある。 それが南極と北極のの地下から伸びたゴムでぶら下がっている。 ちょうど卵の黄身が殻座で繋がっているようなモンですね。 このゴムを巻くとコアが回転して、反動で地殻は逆方向に回りだす。って、これも違いますね。戯言でした。失礼しました。 Yさんへ。 こういう、しっとりした終わり方、すごく良いです。 やっぱりラストは余韻を残さないと。 「ゴム動力世界」は街灯が無いので、星空はすごく綺麗なんでしょうね。 Sさんへ。 なるほど、そんな驚愕のラストが用意されていたのですねー。 一万年以前は生命が存在しなかった!? 謎が謎を呼ぶ、とするとこの小説は「壮大な3部作」くらいになりそうですね。 第2部では更にゴム動力世界の謎が深まり、一見収集が着かないほど混沌とした世界観が広がる。 そして第3部ですべての謎が鮮やかに解明される。おお! あ、でも謎は謎のまま終わるっていうのも好きだったりします。「光瀬龍」とか。 S。2005/03/15 (火) 22:39。 Yさんへ。 とても温かい良いエンディングですねー! 私の好きな「ジュブナイルSF」の臭いがします。 私だったらもっと意地悪なエンディングを用意した事でありましょう。 Aさんへ。 あ!これ良いじゃないですか! Gさんも、ぜひとも「地球自転ゴム動力説」はこの方向で希望いたします!(もちろん、この世界の地球が本当にゴム動力で回っているかどうかは、まだ判らないのだろうとは思いますが) > とするとこの小説は壮大な3部作くらいになりそうですね。 ああ!見えてきました! モノ作りには、それが創作文章であっても立体造形であっても、ある時、突然カタチが見えてくる場合がありますが(往々にしてそれが勘違いである事もよくあるのですが・・・)、私にはこの小説「ラバーパンク」のカタチが見えてきました! 第2部の舞台は第二次世界大戦です。 登場するのは「ゴム動力戦車」や「ゴム動力爆撃機」「ゴム動力Uボート」等々です。 そして大戦末期。 ヒットラーの命を受け、地球中心部への探索が計画されます。 「地球空洞説」を実証するためであります。 時のマッド・サイエンティスト「フェルディナンド・ポルシェ博士」の開発した「ゴム動力地底戦車」に乗り込んだのは、 ナチの武装親衛隊、オランダの女性科学者、日本の新聞記者、そしてバチカンの神学者でした。 様々な冒険の末、その一団が地球の最下層で発見した物とは・・・、彼らの「世界の創世」にまつわる驚愕の真実であったのでした! 第3部は戦後の冷戦時代が舞台となります。 一世を風靡した「ゴム動力機関」も衰えを見せ始めます。 「原子力時代」の到来でした(この世界にも原子力があっても良いと思うのですが、どうでしょう?)。 そんな中、地球規模の大危機が起こります。 そして、それを救ったのは、あの懐かしくも古めかしい「ゴム動力」だったのです! さあ誰か、この小説「ラバーパンク」のパトロンになりませんかーっ! その際には、Gさん、Aさん、Yさん、入った著作権料はみんなで山分けいたしましょうっ! がっはっはっはっは。 G。2005/03/18 (金) 22:15。 ちょっと目を離していたら、もうこんなところまで進んでいるんですね。 Aさんへ。 「地球自転ゴム動力説」の理論ですか? 気ままに書いてますので些細なことは気にしないでください(アハハハハ)。 実のところ、地球の内部というのは空洞じゃないんですねえ。 かといってムクでもありません。それは不可思議な「容れ物」なんです。 「ロッソ・アリステレー」は、たった1回の実験で自説を実証できなかった事にかなりの痛手を受け、また「ピサの斜塔」も思いの他ゆっくりとしたスピードでしか傾いてはくれない事に失望しておりました。 そして歳月は流れ、彼は齢56歳(未婚)となっていました。 その間に、随分な勉強を重ねたようです。 いちばん身を入れたのは、「大航海時代」のヒーローたちのリポートを読み漁ることでした。 その中でも、「アリステレー」がまだ少年だった頃、初めて世界一周を成し遂げた「マジェラン隊」のリポートは、彼の探究心を強く刺激したのでした。 それもフィリピン周辺の有様に「アリステレー」は引き込まれていきます。 彼はついに生まれ育った「ボローニャ」の地を離れ、スペインに向けて旅立つのです。 物語は核心の一歩手前に迫ります。 この頃の「アリステレー」は昂揚の二文字に包まれていました。 はっきりとした理論が出来ていたのでしょう。 後に「フーコー」という奇妙な人物が現われるのですが、「アリステレー」が天に召された後のことなので、彼自身の研究に影響を与えるものでは無かったのです。 Y。2005/03/19 (土) 18:52。 「ラバーパンク・ワールド」、刺激を受けっぱなしであります。 毎回皆様のアイディアとセンスにただ、ただ感服しております。 どうか私の妄想の「詰め甘のラスト」ではなく、ハードなラストをお願いいたします。期待いたしております。 毎回、短編小説を読むようで、こちらこそ感銘を受けながら、第3部の世界 勝手に妄想してみました。 「産業革命が世界に広がり出した頃、『マーチン・クラプロート』は、『ウラニュウム』を発見します。 彼は同年、『ジルコニウム』も発見します(ジルコニアムは、原子炉の炉心材料)。 これは、ただの偶然だったのでしょうか。 その後、長年用途不明であった『ウラン』から、放射線がででいることが発見され、『キューリー婦人』は、より強力な放射線を発生させる『ラジウム』を発見します。 そして、核分裂と連鎖反応の制御が可能となり、『原子力時代』が小さな産声を上げます。 しかし、『原子力』は有効な利用方法不明のまま『研究のための研究』と言われ続けます・・・公害発生機といわれ長年嘲笑の存在であった『外燃機関(蒸気機関)』と結びつくまでは・・・。 熱源に『原子力』を得た『蒸気機関』は『原子力機関』として、瞬く間に『ゴム動力』を駆逐していきます。 そして、世界は『原子力の時代』に変わってゆくのでした。 未発達の蒸気機関に、重大な技術的問題が潜んでいる事も知らずに・・・」。 うーん 最後の「未発達うんぬん」は話が限定されそうで無い方がいいですね。 やはり、私は「レトロフューチャー」の方が好きみたいです。 話を第1部に戻しましょう。 S。2005/03/21 (月) 03:10。 > 実のところ、地球の内部というのは空洞じゃないんですねえ。 かといってムクでもありません。それは不可思議な「容れ物」なんです。 おお!「クラインの壺」? 第1部のラストは例えば私だったら、こんなのでーす。 「サセックスの丘陵を渡る風が、ヴィギンズ少年の髪を優しく撫でていった。 隣で眠る幼い妹のアイリーンが気持ちよさそうに寝返りをうった。 今では父が、そして母がいる。不幸なあの事件を経て、また家族が一緒になったのだ。 だけど・・・。 この胸騒ぎは一体なんだろう・・・。 東の空をフランスに渡っていく『ゴム動力飛行船 リリエンタール号』がキラリと光る。 その時。 ヴィギンズは吹く風が急に冷たくなったのを感じた。 先ほどの穏やかな風とは違う狂ったような突風が突然吹き始めたのだ。アイリーンが激しく泣き始めた。 ヴィギンズは気がついた。 また、風向きが変わった事を。 1914年、ヨーロッパ全土を巻き込んだ最初の『ゴム動力全面戦争』が起こった。 そう、第一次世界大戦である」。 なんつって。 前にYさんが考えたエンディングは、第3部のラストに回しましょう。 もちろん、そこに登場する「老人」は、この「ヴィギンズ少年」なのであります。 駄目ですかぁー。 Gさん。2005/03/22 (火) 22:24。 「ゴム動力生産 水力ダム」の頃の話です。 ダムから町の「スタンド」まで「シャフト」で動力を送っていた事は、ラバリストのみなさんは先刻ご承知であります。 ところが当時、伝達効率に優れた「等速ジョイント」はまだ発明されておらず、何の疑いもなく「クロス型ユニバーサルジョイント」を使っていたんです。 でも「スタンド」に伝達されたゴム動力は、ダムからの距離にもよるんですが、平均60%もダウンしていたんです。 当時、隆盛を極めていた「イレッリ・ゴム会社」が、このジョイント事情を見逃すはずがありません。 イレッリ社は「ベッドマットの吊り具」や「ネズミ撃退ボール(*)」など日用品を大量生産していた会社でした。 「チューブ状のゴム・ジョイント」を開発して、シャフトとシャフトをつなぐわけです。 伝達効率は非常に高く、結果として「スタンド」での「動力販売価格」は20%も安くできたそうです。 モータリゼーションが前にも増して発展したことは言うまでもありません。 (*注釈)屋根裏に投げ込むと、一晩中跳ね回る高純度のゴムボール。 ネズミはたまらず他の家に退散する。ちょうどススワタリのように。 S。2005/03/24 (木) 01:11。 Gさんへ。 「ネズミ撃退ボール」! これ、とても素敵なアイディアですね! 昔私はRPGにハマっていましたが、良いRPGには「フレーバー」があったモノであります。 「フレーバー」は「世界観」とでも言うのかしら。 この「ネズミ撃退ボール」には、「ラバーパンク」世界の「フレーバー」があると思います。 ああ、「フレーバー」で思い出したのですが、この「ネズミ撃退ボール」は昔のディズニーの実写映画「うっかり博士の大発明/フラバァ」にでも出て来そうなアイテムですねー。 S。2005/03/26 (土) 02:20。 空想科学仮想歴史大冒険奇譚「ラバーパンク」番組の途中ではありますがーーーーー。 「モリアーティのプテラノドン製作記(後編)」をアップいたしました。 「トッド」な方も「スマイリー」な方も、ぜひ一度ご覧下さいませー! S。2005/04/09 (土) 03:22。 私は「切り裂きジャック」の話が好きで、何冊か小説やら研究書やらを読んでいるのであります。 この「ラバーパンク」にも、ぜひとも「切り裂きジャック」を登場させたいと思っているのです。 しかも、二人の「切り裂きジャック」を。 一人は史実通りの連続娼婦殺しの切り裂きジャック。 もう一人は「ゴム動力のゴム」を切断するジャックが暗躍するのです。 なんて、また思いつきで書いていますけども。 どうでしょう? G。2005/04/09 (土) 22:26。 動力ゴムを「切り裂く、ジャック」ですってえ? こりゃ大変だ。 せっかく「18世紀から19世紀にかけてのラバーパンク時代」が確立されようとしているのに、なんとかしなくちゃあ。 G。2005/04/16 (土) 23:46。 敵の行動が「切り裂く」のか「切り離す」のかによって、特殊捜査チームの捜査方針が違ってきます。 指揮をしたのは誰でしたっけ? 「『動力ゴム』だからして、切り裂きはあるまい。切り離す、つまりは切断する凶器は如何ようなものがあるか、そこから始めねばなるまい」。 S。2005/04/19 (火) 23:44。 「【ロンドンタイムズ 1888年7月8日付】 英仏間航空郵便の『スレッシャー号』が7日未明、ドーバー海峡にて墜落しているのが発見された。 原因は『動力ゴム』の切断によるもので、人為的な破壊工作が認められた。 航空機に使用されている10センチ経の動力ゴムを切断するのは通常の鋏では不可能で、当局は先の『ゴム動力機関車 ビッグベン』の事故との関連を調べているという」。 その昔、まだパソコン通信もインターネットもない時代、郵便物を使ったRPGがありました。 そんな感じでこの「ラバーパンクネタ」も続くと、個人的には私は楽しいのであります。 G。2005/04/20 (水) 21:11。 「郵便物RPG」ってのは、考える時間たっぷりで密度の高い遊びだったんでしょうね。 今日のところは、とりあえず賛同の意思表明です。 それにしても、イギリスでは大変な事件が続いたもんだ! 何とかせねば。 S。2005/04/21 (木) 01:39。 Gさんへ。 そうですねー。 面白かったのは、これは「郵便物RPG」に限らず、全ての「良く出来たRPG」に言える事なのですが(ボードゲームでもパソコン・家庭ゲーム機でも)、「世界観・設定の巧みさ」でありました。 そこには、表面に現れる数十倍の「情報」「背景」があったのでした。私はこの手の「妄想ゲーム」が昔から大好きだったのです。 「2005/03/04 (金) 02:28」から始まった「ラバーパンク談義」、「2005/04/21 (木) 01:39」の書き込みをもって、突然「ぱったり」と終わってしまいます。 「長く続けばいいなあ」と書いた途端、終わってしまうのはサイト掲示板の身軽さ気ままさ、いい加減さ、なのでありましょう。 ま、それにしても「一ヶ月半」の短い間にこれだけの書き込みがあったのは、とても驚くべき事だと思います。 私だけではなく、その当時の常連さんみなさんに「変な異常なパワー」があったのでしょう。 自画自賛ですが、とっても面白かったのであります。 「サイバーパンク」という「SF」が流行ったのが、80年代90年代ぐらいでしょうか。 世の中に「サイバーパンク観」(サイバーパンクって、どんなビジュアル?)を広め定着させたのは、SF映画「ブレードランナー(1982)」であったと思います。 最も、あの映画で「近未来は じめじめとした雨がいつも降っている暗く陰鬱な世界」というイメージも定着させてしまったのですが。 「サイバーパンク」がいつも我々の「近未来」を描いているのに対し、「スチームパンク」は過去を(も)描いている事が多いように思います。 例えば、「蒸気機関」が発達したロンドン「ヴィクトリア朝」とかです。 全てが蒸気と歯車で動いている、実際には存在していない嘘の世界。 「サイバーパンク」が堂々と「SF」を謳っているのに対し、「スチームパンク」はどこか「仮想歴史」「レトロ・フィーチャー」を描いているような気がします。 そして、全てが「ゴム動力」で動いている「ラパーパンク」の世界は、「サイバーパンク」をパロった「スチームパンク」をさらにパロった感じでしょうか。 どこかファンタジー的な、どこかキッチュで、どこか牧歌的な、どこかおもちゃ的な世界感なのでした。 それにしても。 12年前の「ラバーパンク談義」、意外と長く続き、そして突然終わってしまったのが、返す返すも残念なのであります。 ま、それもしょうが無いのかな。 話が「ゴム」だけに、 「よく伸びるけど、切れ易い」のであります。 |
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