SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.23
「醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ」
について

(2002年4月27日)


一番偉いのが醤油であります。
何と言ったって。


醤油はもう、だいたいの食べ物に「合う」のであります。
唐揚げ、目玉焼き、ハム、ウィンナー、炒め物、牡蠣フライ、イカフライ、ステーキ、ポテトサラダ、カレーライス。
また絶対に醤油じゃないと駄目というモノも一杯あるのです。
刺身、納豆、冷や奴、おひたし、厚揚げ、寿司、蒲鉾、焼き茄子、漬物、とろろ芋、シュウマイ、餃子、厚焼き玉子、春巻き、竹輪、竜田揚げ、じゃがバタ、焼き海苔、ウニ丼、イクラ、大根おろし、磯辺焼き、焼きイカ、オクラ、ところてん、半熟卵、焼き蛤、卵ご飯に焼き魚。
「相手が日本の料理だから当然」と思われる方もいるかも知れませんが、例えば海外旅行。
異国のとんでもない所のとんでもない料理にも、得てして醤油をかけるだけでアラ不思議、とっても「美味しく」なるのです。
醤油はさしずめ料理界の「ワイルド・カード」。
トランプの「ジョーカー」なのです。


その点、ソースの守備範囲はかなり狭いのであります。
もう絶対ソースじゃなきゃ駄目というのは、トンカツとお好み焼き(同類のたこ焼き)ぐらいなモノではありますまいか。
あ、あとコロッケパン。
ソース焼きそばというのもありますが、これはもはや最初から料理に含まれているワケでして、少々論外なのであります。
そんなソースですが、ひとつだけ他には真似できない点があります。
それはアルコール飲料に使われる事。
カクテルの「ブラッティ・マリー」には隠し味として「ウスターソース」を垂らしたりしますが、これは醤油にもマヨネーズにもケチャップにも出来ない芸当です。
「不器用だけど他にないキャラ」、それがソースなのです。


意外と活躍するのがマヨネーズなのであります。
セロリやキュウリ、キャペツやニンジン、ブロッコリーやアスパラガスなどの野菜類はもちろん、春雨やマカロニなどを使ったサラダ類、サンドイッチ類やフライ類、またスルメやカワハギなどの乾きモノ類等々。
前述のトンカツやお好み焼きにも、ソースと併用してマヨネーズが使われたりしています。
さらにはソース焼きそばや冷やし中華にもマヨネーズがトッピングされたりするのです。
以前CMでやっていた「茹でた海老にマヨネーズを付けて食う」というのも試してみたら結構旨かったのでした。
しかし、「マヨネーズ好きな人」は時には暴走する事もある、というのも事実。
「マヨネーズご飯」なるモノが世の中には存在しておりますし、中には「納豆にすらマヨネーズ」を入れる人や、「マヨネーズ単体」で嘗めるのが好きという人もいるのです。
これらの「マヨネーズ好き」は必ず決まってこう言います。
「試してみて。結構美味しいから」。
多くの「カルト信者」を持つ「教祖様」、それがマヨネーズだと言えましょう。


誰もが子供の頃、大好きだったのがケチャップであります。
オムライスの上にかかった「サイン・コサイン・タンジェント」状のケチャップの赤い波打つラインに、小さい子供は皆すべからく魅了されるのです。
またハンバーグにケチャップというのも子供の頃には定番でした。
当時、母親が作ってくれたお弁当の中には、必ずどこかにケチャップが存在していたという記憶もあります。
さらに、フランクフルトやアメリカンドック、ホットドックなどの細長い形状のモノにケチャップのラインを引く時には、思わず「無心」になってしまうのは決して私だけではないハズです。
ケチャップは「見るのが楽しい」のです。
ケチャップは「かけるのが楽しい」のです。
そう、ケチャップはなかなか達者な「パフォーマー」なのでした。


ところで。
何故かこれらのトッピング系調味料、みんな商品化された際には「生物名」が頭に付くのであります。
「ブルドック・ソース」。
「キューピー・マヨネーズ」。
「トマト・ケチャップ」。
え?醤油には付かないって?
いえいえ、あるではありませんか。
「キッコーマン・醤油」。

などと今回のエッセイ、このオチを書きたくて書いたのでありました。
失礼いたしましたー。



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