SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.38
「今日の名台詞 その(2)」
について

(2002年11月23日)


私は昔から本や漫画、テレビや映画などに登場する「名台詞」を日記に書き留めておくようにしていました。

と言うワケで、今回も昔の日記からそれを抜き出してご紹介するのであります。

コメントはその当時のモノ。
※印付きのコメントは今の私の補足説明です。

またまた前後の脈略無くズラズラズラと並べてみました。




「まあまあいいじゃないか。どうせ死ぬんだから」
きたろう。
※「シティボーイズ」が中核を成していた劇団ユニット「ラジカルガジベリビンバシステム」の舞台でのセリフだったかな?
舞台の上で激昂して難しい議論を戦わせている二人の男。
そこに、全然関係ないきたろうが飄々とやって来てニコヤカに言うセリフである。
あまりの「身も蓋もない」展開に大笑いしたモノです。


「失敗する可能性のあるものは、必ず、失敗する」
マーフィの法則。
※「マーフィの法則」という皮肉たっぷりの警句が流行った時があった。「バタ付きのパンはいつもその面を下にして落ちる」とか。私はこの手のアイロニカルな表現がとても好きなのでした。


「朝起きたら戦争が始まっていた」
※出典不明。


「泣きなさい。二度と泣かないために」
「鳥人戦隊ジェットマン」より。
※「鳥人戦隊ジェットマン」は1991年に放映されていた子供向け特撮モノ。この手の番組は「名台詞」の宝庫である。たまに観ると感激したりするのである。
毎回観てると食傷気味になるけども。


「連鎖性疑問誘発症」
コンピューター入門者がマニュアルを読むとかかる病気であるそうな。
※私はインターネットを始めた当初、そのインターネットの時間のほとんどを「何故、きちんと繋がらないのだ?」という原因究明のための「Q&A」サイトの検索に費やしていたのでありました。
本末転倒。


「1秒間だけ、2秒間だけと彼女を好きになった事はあった。それでも、全部たしても、20秒はいかなかったと思う」
「EYE.COM」の掲示板より。
※昔、ネットと言えばインターネットじゃなくて「パソコン通信」だった頃。
「EYE.COM」というパソコン雑誌がやっていた掲示板がありました。そこでのログで見かけたセリフ。何故か気になったので残しておいたのだと思う。
このセリフの応用例で、「6秒間の間好きになったり、またある時は10秒間の間嫌いになったり、そんなプラスマイナスの結果、その年の秋、その計算は0になった。それは、嫌いな事よりも少し悲しい事のように思えたんだ」というヤツも自分で考えてみましたっけ。


「オタクだから犯罪を起こすのではない。オタクの犯罪はオタクの様相を帯びる、というだけなのだ」
と大塚英志が言ったそうで。
なるほど、である。
※10数年ほど前、「オタク犯罪」が問題になった時があった。その時、何かに書いてあった文章。


「4000ポンドの重圧に耐えるチョコ・チーズ・サンドの研究」
モンティ・パイソンより。
※何なんだそりゃ!?っていう「ナンセンス」なフレーズも私は大好きなのです。


「龍が飛び立つ事は滅多にない。腹が減ったとき。龍王の命を受けたとき。そして、復讐の時だ」
※出典不明。ファンタジー小説からかな?何だかカッコイイ。


「〜私はこの洗濯ものの光景を、いつも、最後に残ったひとくちのお菓子のように、熱心に味わってながめてしまいます。(このひとくちをしっかり味わって、ずーっと覚えておくんだ) でも昔からそうやって味わった最後のひとくちって全然思い出せなくて、かえって、何も考えずにひたすら食べた時の味の方を思い出せるというのは、不思議なことです。だから、人生もひたすら生きていればいいんだ、と、このごろ思っているわけです」
大島弓子「サバ・タイム」より。
※私の大好きな漫画家大島弓子の作品は名台詞の宝庫である。大島弓子の作品に出てくる名台詞だけ集めても何回か分のエッセイが書けるほどである。


「詩は歴史性に対して垂直に立つ」
稲垣足穂。
よくわからないが、かっこいい台詞である。
※今でもよく分からないが、カッコイイと思うのであります。
中島らものエッセイ「頭の中がカユいんだ」にも引用されていました。


「スターリング捜査官。チフスと白鳥−−みな同じ所から来るのだ」
レクター博士。
※トーマス・ハリスのベストセラー小説「羊たちの沈黙」の中で、牢獄のホームズことハンニバル・レクター博士が言うセリフ。


「二人の男にあった、とするわ。いつも、好きでない方が電話をかけて来るのよ」
「そんな事、前から判っているわ」

クラリス・スターリングとアーディリア・マップの会話。
※これも「羊たちの沈黙」から。FBIの新人捜査官クラリスとその同僚の会話である。


「なんといってもあいつはオーク鬼同様の悪いやつです。敵の一人です。死んだっていいやつです」
「死んだっていいとな!たぶんそうかもしれぬ。生きている者の多数は、死んだっていいやつじゃ。そして死ぬる者の中には生きていてほしい者がおる。あんたは死者に命を与えられるか?もしできないのなら、そうせっかちに死の判定を下すものではない。すぐれた賢者ですら、末の末までは見通せぬものじゃからなあ。ゴクリが死ぬまでに悪から癒される望みが大いにあるとは、わしも考えておらん。しかしその可能性はあろう。それにかれは指輪の運命にしかと結びつけられておる。わしの心の奥底で声がするのじゃ。善にしろ悪にしろ、かれは死ぬまでにまだ果たすべき役割があると。そしてその時が至れば、ビルボの情けは多くの者の運命を決することになるかもしれぬとー。少なからず、あんたの運命もな」

「指輪物語 旅の仲間 上」より。
※長くなってしまったが、「指輪物語」の中のホビット族のフロドと魔法使いのガンダルフのあまりにも有名な会話である。
これは私が今までに読んだ小説の中でも「ベスト5」ぐらいに入る好きな「名台詞」「名会話」かも知れないなあ。


「『降れば土砂降り』ちうこの村の諺どおりでごぜえます」
「指輪物語 旅の仲間 上」より。
※粥村の宿屋「躍る小馬亭」の主人バタバーが言うセリフ。
この「降れば土砂降り」って言い回し、他でもよく見かけるのだが、オリジンはこの「指輪物語」なのかな?それとも昔からイギリスにある言葉なのかな?


「かの者の間者の一人であるならばーそうですね、見かけはもっとよく、感じはもっと悪いだろうと思うのです。おわかりでしょうか」
「わかります」馳夫は声をあげて笑いました。
「わたしは見かけは悪く、感じはよいということですな?『金はすべて光るとは限らぬ、放浪する者すべてが迷える者ではない』とな」

「指輪物語 旅の仲間 上」より。
※フロドと旅の仲間になるアラゴルンとの最初の頃に交わされる会話。このセリフも有名ですね。


「時間旅行者たちは、自然科学の歴史全体を通じてもっとも恐るべき成果ののち、気球で目的地に到着したのである」
J・P・ホーガン「プロテウス・オペレーション」より。
※ナチス・ドイツが第二次世界大戦で勝利を収めてしまった架空歴史SF小説。密かに開発されたタイムマシンで過去に遡り、ナチス打倒を目指す特殊工作員たち。その彼らが目的達成のために使ったのは古ぼけた気球であった・・・、というところが面白いなあ、と思ったのであります。


「ICBMが落ちそうに晴れた空」
「ASCII」1991年の10月号の後書きに、「TU LE MANGES? NON BERET」という編集者が書いていたフレーズ。
この気分はわかるなあ。ユーミンの「悲しいほどお天気」に通じる「幸福の絶頂期に感じる世界終末の予感」とでも言うのか?
※この手のフレーズに私は弱いのあります。


「やはりこれは美しい夕日と言うべきであろう。何か良くない事が起こる前触れと言えよう」
テレビアニメ「21エモン」より。
宇宙Gメンというかっこ良さげなキャラクターがこのアニメにふさわしくないような台詞をいきなり吐いたのであった。
※この手の言い回しに私は弱いのであります。


「恨みはない。お互いやるべき事をやって、我々が勝っただけだ」
今年は「真珠湾攻撃50年」という事でいろいろなイベントが行われているのであるが、本日、ハワイでその記念式典があり、で、テレビのインタビューに対して、アメリカ人の老人が答えていた台詞である。なんか、映画チックであるなあ。
※1991年の日記より抜粋。良くも悪くも「アメリカ人だなあ」と思うセリフです。


「しばらく会わなかった間に、ずいぶん見なかったねえ」
「ひょっこりひょうたん島」の中に登場する海賊バラクーダの子分、中国人コック「トウヘンボク」のセリフ。
井上ひさしは上手いなあ、こう言う台詞。
※1964年から1969年にかけてNHKで放送された人形劇「ひょっこりひょうたん島」は今でも多くのファンを持つ。
私もその一人なのであります。
これは1991年にリメイクされた「海賊バラクーダの巻」の中のセリフ。この手のとぼけたセリフ回しが大好きだったのでした。


「笑う角にはフラクタル」
ってギャグを考えたのですがどうでしょう?
※どうでしょう?と言われても困るでしょうが。
フラクタルというのは、コンピュータ・グラフィックなどで使用される「自然界の中に存在する法則性を見つけ、それをコンピュータ上で自動生成する試み」の事。
多分。


「上には凧がたこさんあがり・・・下にはコマがくるくると、やがて来る来るお正月」
山根一二三「のんびりトン助」より。
昔の漫画にはこうしたゴロの良いフレーズが多くあったものだなあ。
※みなもと太郎の「おたのしみはこれもなのじゃ」という漫画の名台詞を集めた本より。


「ヘナ吉はまだ兵隊に行かなかったのか」
「明日いく 高射砲で飛行機を射ち落とす兵隊だ」
「ぼくは戦闘機に乗っているんだよ」
「ではぼくに射たれる役目だ」

わちさんぺい「チンコロ二等兵」より。
「ほのぼの残酷現実」は俺の好きな世界である。
※これも「おたのしみはこれもなのじゃ」より。


「あなたは 子供がすきですか」
「はい ごはんよりもすきです」

園山俊二「がんばれゴンベ」より。
良いなあ。このやり取りは。
※これも「おたのしみはこれもなのじゃ」より。
この「おたのしみは・・・」は、当時、和田誠がやっていた映画の名台詞ばかりを集めたエッセイ「お楽しみはこれからだ」の漫画版パロディ本。
また、今日日の漫画の名台詞ばかりを集めた本、誰か作らないかなあ。
読みたいなあ、そおいうの。




とりあえず今回はここまで。

昔の日記からの抜粋なので、記述間違いや出典間違いがあるかも知れません。
その場合は、間違いを教えていただければ、これ幸いなのであります。




目次へ                               次のエッセイへ


トップページへ

メールはこちら ご意見、ご感想はこちらまで