SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.50
「魚肉ソーセージ」について

(2003年8月2日)


「魚肉ソーセージ」って、よく考えてみるとソーセージなんかじゃなくて、単なる「かまぼこ」ですよね。

これが今回のエッセイの結論なのであります。



結論が出てしまってはもう終わりなのですが、ちょっと短すぎるので、も少し書くのであります。

「魚肉ソーセージ」というこの名称、最近では使われていないのですね。
最近は「おさかなのソーセージ」とか「フィッシュ・ソーセージ」などと呼ばれているんですね。
「魚肉ソーセージ」という名前に、「しょせん、本当のソーセージのまがい物」というマイナス・イメージを感じるからでしょうか?
それとも、「魚肉ソーセージ」という呼び方に「貧乏くささ」を感じるからでしょうか?
しかし、「おさかなのソーセージ」にしても「フィッシュ・ソーセージ」にしても、結局は「単なるかまぼこ」なワケで、「ソーセージ」と堂々と宣言している事に、少々の疑問を感じるのであります。

同類の「カニかま」の場合、「カニ風味のかまぼこ」と自ら自分の正体を明かしている分、罪は少ないと思うのですが、「おさかなのソーセージ」「フィッシュ・ソーセージ」の場合、明らかに「詐称罪」に問われるのではないでしょうか?

それとも、別に「豚肉」や「鶏肉」じゃなくて「魚肉」でも、「肉を挽いて練り固めたモノ」であればみんな「ソーセージ」と呼ぶのでしょうか?
だとしたら、「かまぼこ」は全て「ソーセージ」だし、「つくね」も「粗挽きソーセージ」だし、「はんぺん」も「卵の白身と大和芋入りソーセージ」だし、「ちくわ」も「竹串焼きソーセージ」だし、「さつまあげ」も「ニンジンとタマネギのみじん切りと卵入りソーセージ揚げ」という事になるではありませんか。

「いや、そうじゃなく、挽いた肉をさらに『腸に詰めて茹でたモノ』をソーセージと呼ぶのだ」と一気に結論を出す人もいる事でしょう。

じゃ「ウィニー」は?
「ポークビッツ」は?
これらの「皮なしウィンナー」は自らアイデンティティを失った「ソーセージ界の異端児」という事なのでしょうか。
(ちなみに、豚の腸を使ったのをソーセージと呼び、羊の腸を使ったのをウィンナーと呼ぶそうです。また、それらの天然の腸を使用せず、人工ケーシングという人工の腸を使う場合があるのですが、その場合は太さと長さによって、ソーセージかウィンナーの呼び分けをしているのであります。また、皮なしウィンナーの製造方法は二種類あって、成形した後に周りの人工ケーシングを剥く場合と、成型時、外側にコラーゲンの被膜を作る方法です)。
そもそも問題の「魚肉ソーセージ」の周りを覆っているのは単なる「ビニール」なのであります。

やっぱ「魚肉ソーセージ」は「ソーセージ」じゃないや。

などと、分かり切った事をウダウダと書いておりますが、私、この「魚肉ソーセージ」が大好きなのであります。


袋から取り出した「魚肉ソーセージ」の先端を奥歯でしっかりと噛んで、そのまま覆っているビニールを一気に「ペロリ」と引き剥がし、「プリリン」と現れた中身を「ムシャムシャ」と食べるのが大好きなのであります。
「魚肉ソーセージ」は、みんな、こおいう食べ方をしていると思うのですが、パッケージには「とめ金と内装フィルムは歯でかみ切らないでください」という注意書きが実は記されているのですね。
小さな子供が「とめ金」とか「フィルム」を間違って飲み込まないための注意書きなのでしょうが、大人はやっぱり「奥歯で噛み込み、ビニール、ペロリ」が正しい食べ方だと私は思うのであります。


ところで、「魚肉ソーセージ」とは具体的に何で出来ているのでしょうか。

「ニッスイ」の「おさかなのソーセージ」の場合、パッケージに記載されている「原材料名」を見てみると、
「魚肉(ほっけ、えそ、さけ、その他)。結着材料(でん粉、植物性たん白、豚ゼラチン)。植物油脂。食塩。砂糖。醸造酢。オニオンエキス。ほたてエキス。かつおエキス。しょうゆ。香辛料。たん白加水分解物。乳糖。調味料(アミノ酸等)。炭酸Ca。コチニール色素。香料。(原材料の一部にかに、さばを含む)」
と書かれています。
ほほう、「オニオンエキス」とか入っているのか。
ん?何だ「えそ」って?

これが「丸大」の「フィッシュ・ベビー・ソーセージ」になると、
「魚肉(たら、いとより、ほっけ、その他)。結着材料(植物性たん白、でん粉、ゼラチン)。豚脂肪。植物油脂。砂糖。食塩。香辛料。たん白加水分解物。調味料(アミノ酸等)。貝カルシウム。赤色106号。(原材料の一部に小麦、大豆を含む)」と、微妙に違うのですね。
「赤色106号」・・・、何だかカッコイイなあ。


また、パッケージに「本物のソーセージ」との比較が載っていまして、100グラム当たりのカロリーは、「本物のソーセージ」が「321キロカロリー」で、「おさかなのソーセージ」は「155キロカロリー」。
脂質は、「本物のソーセージ」が「28,5グラム」で、「おさかなのソーセージ」は「6,6グラム」。
これを見ると「ダイエットにも良い」、非常にヘルシーな食品なのであります。



と言うワケで。

この季節、右手にギンギンに冷えた缶ビールを持ち、左手にこれまた冷蔵庫で冷やしておいた魚肉ソーセージを持ち、好きなLDやDVDを観ながら、缶ビールを「ゴクゴク」、魚肉ソーセージを「ムシャムシャ」、「ゴクゴク」「ムシャムシャ」「ゴクゴク」「ムシャムシャ」、これが最近の私の至福の時なのであります。

なんて安上がりな「至福の時」・・・。




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