SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.59
「我が愛しのシャーロック・ホームズ(7)」
について

(2004年7月16日)


私はシャーロック・ホームズが大好きです。
それはミステリー小説ファンである事と同時に「19世紀末ビクトリア朝時代」ファンでもあるからなのです。
と言うワケで、今回もホームズ・パスティーシュ、パロディ小説のお話です。



「緋色の紛糾」
「柄刀一」著。
芦辺拓・編「贋作館事件」に収録。
原書房。
本作は現代日本を舞台とするホームズ・パロディ小説です。
タイトルの「緋色の紛糾」は、もちろんホームズのデビュー作である「緋色の研究」をもじったタイトルです。
二子玉川221番地Bの「ベーカー・ヴィレッジ」に住むイギリス人のホームズとワトスン。彼らの世話をするのはハドソン夫人ではなく「鳩村夫人」という日本人でした。
ホームズが一番最初にワトスンと出逢った際のセリフは、正典では「アフガニスタンにいられたんですね?」ですが、本作では「イラクの戦場におられたんですね?」となっています。
そう、本作ではワトスンは1991年のイラク戦争に医療ボランティアで参加していた事になっているのです。
そんな二人の所に持ち込まれた不可解な事件。
それは、犯罪学の権威「久賀早信(ひさがはやのぶ)博士」が研究所の密室で頭を拳銃で射抜いて自殺したのですが、不審な点が多く他殺の疑いがあるというモノでした。
こうして、レストレイド警部ならぬ警視庁捜査一課のベテラン「矢澄黎人(やすみれいと)警部」と共にホームズの調査が始まるのでした。
パスティーシュやパロディ小説で、「日本に居るホームズ」を描いた作品は幾つかあります。
その際に利用される設定は、正典で言及されているホームズの失踪時代「大失踪(1891-1894)」で、その時期にちょうどホームズは日本に訪れていたのだ、とするモノです。明治時代の日本です。
また、「現代の日本」にホームズを復活させた作品もあります。その手法は「SF的設定」や「サイコ的設定」「幻想的設定」、もしくは「単純なパロディ」等などです。
しかし、本作では「何でホームズが現代の日本にいるのか?」という理由や説明がまったくなく、とにかくホームズは日本に(しかも二子玉川に)居るという前提の元にお話は進んでいくのでした。
それはそれで「新機軸なやり方」かも知れませんが、「何故?」の部分を期待していた私には、ちょっと物足りないのでありました。
この作品が収録されている「贋作館事件」は、日本のミステリー作家たちによる「古今東西のミステリーのパスティーシュ・パロディ競作集」となっています。
収録されている作品は、
村瀬継弥「ミス・マーブルとマザーグース事件」、芦辺拓・小森健太朗「ブラウン神父の日本趣味(ジャポニスム)」、斎藤肇「ありえざる客ーー贋の黒後家蜘蛛の会」、柄刀一「緋色の紛糾」、二階堂黎人「ルパンの慈善」、小森健太朗「黒石館の殺人(完全版)」、芦辺拓「黄昏の怪人たち」、北森鴻「幇間二人羽織」、西澤保彦「贋作『退職刑事』」、斎藤肇「贋作家事件」の全10編です。
本作「贋作館事件」は、ミステリー小説のパスティーシュ・ファンにはお薦めの一冊かも知れません。



「緋色の電球」
「斎藤肇」著。
前出のパスティーシュ・パロディ集「贋作館事件」の最後の一編「贋作家事件」の中に、さらに収録されている作品です。
パロディ集「贋作館事件」の再パロディが「贋作家事件」で、つまり本作は「緋色の紛糾」のメタ・パロディなのです。
ああ、ややこしい。
宿敵モリアーティ教授の影を追いかけて地下鉄の自動改札を抜け「中央林間行き」の電車に乗るホームズとワトスン。
彼らがたどり着いた所は「ボスコム谷」に近い「ロス駅」で、イタチ顔の矢澄黎人警部が待ちかまえています。
彼はこの先の滝で密室殺人が起きたのだと言います。
電車に乗り、目的の駅で降りるとそこはスイスの山岳地帯。ホームズは履いていた靴を脱ぎ、前後逆に履き替えて「君らもやるんだ」と命令します。
三人の行く手に待ちかまえているのは、頭上に浮かんだ巨大密室。その巨大密室の手には禍々しいまだら模様の鞭が握られており、「あの鞭で、既に何人もの罪なき人たちが毒殺されたのです」とホームズ。
何が何だかさっぱり分からないかも知れませんが、本作はとても「シュール」なお話なのでした。
ルイス・キャロルが書いた「ジャバウォッキー」の様な「ナンセンス小説」なのです。
私的にはとても面白いショート・ショートでした。
ホームズ好きで「不思議の国のアリス」好きには、お薦めの一作だと思います。



「シャーベット・ホームズ探偵団」
「岡本喜八」著。
中央公論社。
ある日、60歳の「還暦」を間近に控えた「生田大作」は、最近家庭の中がうまく行っていない事に気がつきます。
妻「秋子」長男「ススム」長女「アユミ」たちの自分勝手な振る舞いが、生田家を家庭崩壊寸前の冷え冷えした状態にしていたのです。
「これじゃまるでシャーベット・ホームだ!」
そんな時に一家に舞い込んだ「美少女全裸殺人事件」。
その事件を契機に、不思議な結束で結ばれていく家族たち・・・。
本作は「シャーベット・ホームズ探偵団」「シャーベット・ホームズ危機連発」「シャーベット・ホームズの仁義ある戦い」「シャーベット・ホームズの大冒険」の4つの短編から成り立っています。
毎回起こる「事件」を「シャーベット一家」が解決していくという物語で、一応ミステリーらしい体裁は取っていますが「シャーロック・ホームズ」との関係はほとんどなく、どちらかと言えば「ユーモア小説」「家族小説」というモノです。
それもそのはず、掲載されていたのは「婦人公論」なのでありました。
本作はシャーロキアン向けと言うよりも、「あの映画監督の岡本喜八が書いた小説」として読まれるべきかも知れません。
ディテールの幾つかに「岡本喜八っぽさ」を見つける事が出来、「岡本喜八好き」にはお薦めの一冊だと思います。
ちなみに、最後の収録作品は「ちょっと良い話」なのでした。



「ロンドンの超能力男」
「ダニエル・スタシャワー」著。
「日暮雅通」訳。
扶桑社。
20世紀初頭に大活躍した実在のマジシャン「ハリー・フーディーニ」が登場する「ホームズ・パスティーシュ」です。
1910年4月の事件と設定されていますので、「通説」となっている「ホームズの誕生日は1854年1月6日」を信ずるとすれば、ホームズ56歳の時の物語なのであります。
ある日、ロンドン興業を行うフーディーニの元に「脅迫状」が舞い込んで来ます。しかし、その直後、彼は「極秘文書盗難事件」の容疑者としてスコットランド・ヤードに逮捕されてしまいます。
こうして、フーディーニ夫人から相談を受けたホームズとワトスンは、事件の真相を求めて調査に乗り出す事になるのでした。
これは実に良く出来た面白いパスティーシュでした。
特に、引退間近の探偵と新進気鋭の奇術師という「二人の高い技術を持った自尊心の高いエキセントリックな人物」に挟まれ、右往左往しつつ、それでも二人との友情を貫き通す「善良なるワトスン」がとてもよい味を出していると思います。
本作を読むと「良く出来ているホームズ・パスティーシュ」にはいつくかの「約束事」がある事を再確認させてくれます。
すなわち、
1)正典で言及されている「語られざる事件」、或いはある事情によって長い間公表されなかった物語である事。
2)19世紀末ビクトリア朝時代の実在の(もしくは架空の)有名人とホームズが絡んでいる事。
3)正典に登場する魅力的なゲスト、例えばマイクロフト・ホームズやモリアーティ教授、アイリーン・アドラー等が登場する事。
4)正典中の「謎」、例えばホームズの女嫌いの理由とかコカイン中毒になった理由、はたまたワトスンの結婚の回数とかホームズ引退の理由等々の「意外な真相」が語られている事。
5)改めてホームズとワトスンの友情を再確認させてくれる物語である事。
6)その作品が長い間封印されていた「理由」が最後で明らかになる事。
などであります。
本作はホームズ好きにはお薦めの、安心して読めるパスティーシュだと思います。



「シャーロック・ホームズ対切り裂きジャック」
「マイケル・ディブディン」著。
「日暮雅通」訳。
河出文庫。
「シャーロック・ホームズ対切り裂きジャック」とは、なんと直接的なタイトルなのでしょう。
もっとも、19世紀末ロンドンで活躍したホームズと、同時期の切り裂きジャックの対決は、シャーロキアンならずとも誰もが夢見るシチュエーションであります。
その証拠に、このホームズとジャックの対決を描いたパスティーシュやパロディは、いろいろな作家たちが書いています。
ホームズ研究家で有名な「ベアリング・グールド」のホームズ自伝「ガス燈に浮かぶその生涯」や、エドワード・B・ハナの「ホワイトチャペルの恐怖」、あのエラリー・クイーンですら「恐怖の研究」というホームズVSジャック物語を書いています。
もちろん、コナン・ドイルが書いた「正典」には「切り裂きジャック」は登場しませんが、それだけに多くの作家たちのインスピレーションを刺激するのでしょう。
切り裂きジャックによる猟奇連続殺人事件が起こったのは、1888年の8月31日〜11月9日の事。
ちょうどその時期のホームズと言うと、「四つの署名」「ギリシャ語通訳」「バスカヴィル家の犬」等の有名事件を見事に解決していたバリバリの現役だったワケで、そんなホームズが切り裂きジャック事件に関わっていないハズが無いのです。
そこでパスティーシュ作家たちは、次の2点に拘ってホームズVSジャック物語を創造します。
すなわち、
1)切り裂きジャックの驚くべき正体とは?
2)何故、正典には切り裂きジャック事件が一切言及されていないのか?
本作も、その2点に関しての驚愕の真相が描かれています。
本作が秀逸なのは、切り裂きジャック事件にホームズの「最後の事件」を絡めた事にあります。
が、しかし、本作は多くのシャーロキアンたちには受け入れられない物語になっている様にも思います。
本作が1978年にイギリスで発表され、今年(2004年)になってようやく邦訳が出たという事情も、そこら辺にあるのかも知れません。
本作は、「ホームズVS切り裂きジャック」モノは全部制覇するぞー、と思っている方には貴重な一冊だと思います。



「霧の殺人者」
「M・J・トロー」著。
「斎藤数衛」訳。
早川書房。
切り裂きジャック事件から3年後の1891年の春。
ロンドンの南西に位置するワイト島の渓谷で、崖道に塗り込められた腐乱死体が発見されます。
それを発端に次々と起こる怖ろしい猟奇殺人。
猟犬に食い千切られた貴族。
自然発火で焼死した牧師の娘。
全身を黒い絵の具で塗り固められ窒息死した差別主義者たち、等々・・・。
その殺人事件の裏には「切り裂きジャック」の影。
そして、その連続猟奇殺人犯を捕らえるべく動き出したのが、スコットランド・ヤードの敏腕警部「レストレイド」でした。
本作の副題は「レストレイド警部の冒険」となっており、そのタイトルが示す通り、本作はレストレイド警部の物語なのでした。
もちろん、ホームズやワトスンも(そしてコナン・ドイルも)登場するのですが、彼らは単なる「脇役」です。あくまで、レストレイドが捜査し、推理し、真犯人を追いつめていくのです。
正典ではいつもホームズにやり込められている「無能な警部」も、本作では聡明な推理と胸を空くような大暴れで、大活躍するのでした。そのギャップに多くの方が驚かれる事に違いありません。
が、しかし、本作において、真犯人が「切り裂きジャック」である必然性も、その正体の意外性も乏しく、またホームズやワトスンが登場する意味も無く、ホームズ・マニアや切り裂きジャック・マニアには大変物足りない物語だと思います。
これはレストレイド警部ファンには、面白い小説なのかも知れません。



「シャーロック・ホームズ ベイカー街の殺人」
「エドワード・D・ホック他」著。
「日暮雅通」訳。
原書房。
以前紹介した「シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人」「シャーロック・ホームズ 四人目の賢人」に続く、原書房のホームズ・パスティーシュ集の第3弾です。
収録作品は以下の通り。
L・B・グリーンウッド「暗黒の黄金」、ピーター・トレメイン「セネン・コウブのセイレーン」、ギリアン・リンスコット「ホームズを乗せた辻馬車」、スチュアート・M・カミンスキー「ケープタウンから来た男」、アン・ペリー「真っ白な靴下」、ハワード・エンゲル「州境のタンポポ事件」、ビル・クライダー「吸血鬼の噛み痕事件」、キャロライン・ホイート「『驚くべき虫』の事件」、エドワード・D・ホック「匿名作家の事件」、ジョン・L・ブリーン「『チェシャーチーズ』亭事件」、ローレン・D・エスルマン「アラビアの騎士の冒険」、サー・アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズをめぐる思い出」、ロイド・ローズ「シャーロック・ホームズの百年」、ジョン・L・レレンバーグ「さて、アーサー・コナン・ドイルから一語」の14編。
最後の3編はパスティーシュではなくエッセイです。
前二作には「クリスマスのホームズ物語」という大きな括りがあったのですが、本パスティーシュ集にはそれがなく、少々全体の印象が散漫になってしまっている様な気がします。
「可もなく不可もなく」という平均的なパスティーシュが集まっている感じがするのです。
そんな中で比較的面白かったのは、「ホームズを乗せた辻馬車」と「シャーロック・ホームズをめぐる思い出」の二つです。
前者はホームズを乗せた事がある辻馬車の馭者が語る「ホームズ譚」という設定で、「ああ!その手があったか!」と非常に感心したのであります。
後者はコナン・ドイルのエッセイですが、その中で紹介されている「ピーターパン」の作者「J・M・バリー」がドイルに贈ったという「二人の共作者の冒険」というホームズ・パロディが面白い作品でした。
本パスティーシュ集は、ホームズ・パスティーシュは何でも読むぞ、と思われている方にはお薦めです。



「シャーロック・ホームズ ワトスンの災厄」
「アン・ペリー他」著。
「日暮雅通」訳。
原書房。
原書房のホームズ・パスティーシュ集の第4弾です。
収録作品は以下の通り。
コリン・ブルース「瀕死のドクター」、ビル・クライダー「『若き英国兵士』の冒険」、シャーリン・マクラム「白い馬の谷」、ジョン・L・ブリーン「『熱きまなざしの歩哨』事件」、キャロリン・ウィート「世にも稀なる鳥の冒険」、ダニエル・スタシャワー「うろたえる女優の事件」、アン・ペリー&マラカイ・サクソン「ハイランドの虚報事件」、ローレン・D・エスルマン「『黄金の猿』の謎」、バリー・デイ「奇妙なカナリアの事件」、レノーア・キャロル「『冒険』の始まる前」、フィリップ・A・シュレフラー「ホームズとワトスンーー頭脳と心」、クリストファー・レドモンド「インターネット上のシャーロック・ホームズ」、ジョン・レレンバーグ&ダニエル・スタシャワー「シャーロキアン・ライブラリ」の以上13編。後半の3編はエッセイです。
前パスティーシュ集「ベイカー街の殺人」に比べ、本作には面白い作品が揃っている様に思いました。
特に面白かったのは、「白い馬の谷」「うろたえる女優の事件」「『冒険』の始まる前」の3編です。
「白い馬の谷」は、イギリスの片田舎で起こった殺人事件に地元の薬草師の老婆「グリゼル・ラウントリー」が、ホームズと同等の鋭い観察力と洞察力、そして機知を見せるという物語です。
もちろんホームズも登場するのですが、このラウントリーのキャラクターが秀逸なのでした。
私はこの手の「ホームズと無名のホームズとの出会い」を描いたパスティーシュが好きなのであります。
「うろたえる女優の事件」は、ロンドン公演を控えたホームズ役者「ウィリアム・ジレット」が、舞台の稽古中に起こった女優の宝石盗難事件を「私はシャーロック・ホームズじゃないんだよ・・・」と不平を言いつつ解決していく物語です。
ウィリアム・ジレットは実在の舞台俳優で、コナン・ドイルがホームズ物語を発表していた時代に「ホームズ役者」として一世を風靡していた人物です。
後世に残るホームズ像の幾つかは、実は正典を書いたコナン・ドイルではなく、このウィリアム・ジレットが創作したものなのです。
例えば、現在思い浮かべるホームズ像には「キャラバッシュ(柄の部分が曲がったパイプ)」が付き物ですが、それは俳優ジレットが舞台で初めて用いた小道具だったのです。
本作ではその事件のあらましを同じ舞台のワトスン役者が記していく、という仕組みも面白く、また最後のオチもシャーロキアンならば必ず「ニヤリ」とするに違いありません。
「『冒険』の始まる前」は、ホームズ物語を連載していた「ストランド・マガジン」の編集長に宛てたコナン・ドイルの手紙、という設定のパスティーシュです。
ホームズ創作のアイディアの元になったのは、コナン・ドイルの大学時代の恩師「ジョゼフ・ベル博士」である事は有名ですが、本パスティーシュでは「実はホームズには別のモデルがいたのです」と告白する内容になっています。
本パスティーシュ集は、ホームズ・パスティーシュ・ファンにはお薦めの一冊だと思います。



ホームズ・パスティーシュの定番のひとつに「もし、ホームズがこの人物と出会っていたら」というモノがあります。
SF味の多いパロディ作品でない限り、その人物とはホームズが活躍していた19世紀末から20世紀初頭の人物という事になります。
この場合、実在・架空は問いません。
切り裂きジャック、フロイト博士やダーウィン教授、奇術師フーディーニやSF作家H・G・ウェルズ、「吸血鬼ドラキュラ」のブラム・ストーカーや「ドリアン・グレイの肖像」のオスカー・ワイルド、劇作家バーナード・ショーやアメリカの作家O・ヘンリー、当時ロンドン留学していた夏目漱石などの実在組。
ジキルとハイド、フー・マンチュー、ドラキュラ伯爵やヘルシング教授、チェレンジャー教授、高利貸しスクルージや怪盗ルパンなどの架空組。

私がかねがね「ありそうで無いなぁ」と思っている組み合わせがあります。
それは、ホームズとミュージカル「マイ・フェア・レディ」の「ヒギンズ教授」「イライザ」を邂逅させたパスティーシュです。
もちろん、マイ・フェア・レディのヒギンズ教授自体が「ホームズ・パロディ」になっている事は承知しているのですが(当然、ピカリング大佐はワトスンです)、この稀代の言語学者とコベント・ガーデンの貧しい花売り娘をホームズ譚に絡ませたパスティーシュを、昔から読みたいと思っているのであります。
当然、何百何千とあるホームズ・パスティーシュに、その「ネタ」が無いワケはありません。多分、私がまだ読んでいないだけだと思います。
もし、そんなパスティーシュをご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひとも私に教えてくれませんでしょうか?



「室に、ラムのほかの酒はなかったかね」
「ありました。衣類箱の上に酒びん台があって、ブランディとウィスキーとがはめこんでありました。しかし、びんは2本ともいっぱいで、手をつけなかったものと見えますから、重要じゃありません」
「といったって、それがそこにあることだけで、なにかの意味はあるものだ」
(ブラック・ピーター)より。




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