SYU'S WORKSHOP
ラムダの操縦席製作記
(後編A)
(1/4)


みなさんは「フルスクラッチのジレンマ」という言葉を
ご存じでしょうか?
もっとも、今、私が造ったフレーズですが。

2次元創作物である
漫画やアニメに登場するデザイン物を立体化する場合、
「造っていけば造っていくほど」
「カタチが出来上がっていけば行くほど」
「それはオリジナルとは違うモノになっていく」
と言うとても哀しい法則なのであります。

それはまるで
太陽を目指して昇っていけば行くほど
落下する事が約束されたイカルスの寓話の様。

などと言いつつ、
今回は「ラムダの操縦席製作記」の「後編A」なのであります。
「A」という事は、今後「B」があるのであります。
やはり「後編」は一回だけでは終わりませんでした。
すいません・・・。




「メイン・コンソール」にある「ディスプレイ」の外周部に
「バルジ(突起物)」を作っていきます。
「EVERGREEN」社のプラ材をカットして貼り付けていきます。



「スリット」同様、「SFメカ」には
この手の「バルジ」が多用されており、
再現するのが非常に面倒な部分です。
「同じ幅と長さ」の物が「同じ間隔」で整然と並んでおり、
とても細かい正確さが要求されるからであります。



「バルジ」の表面を紙やすりで整形しているところです。
白いプラ板を「やする」場合、
表面にマジックであらかじめ色を塗っておくと
「微妙なやすり具合」が判断出来るので、
いつも私が行っている方法なのでした。



以前作った「スロットル・レバー基部」の前と後に
新たに作ったパーツを接着しました。
プラ板を切って貼って組み立てていく「スクラッチ」の場合、
様々な形状のパーツを作り、それらを組み合わせる事によって
単純なプラ板の組み立てではない
「複雑な形状で出来上がっている」雰囲気を出すのです。


ここにレバー類を差し込んで、



スロットル・レバーを中心とした
「左手操作系ユニット」が完成しました。
この「レバーやスイッチがごちゃごちゃとたくさんある」感が、
「宮崎メカ」の操縦席っぽい所であります。



「5ミリのプラパイプ」をカットし、



「メイン・コンソール」側面の計器を作りました。
延びているコードは「PRO-HOBBY」社の
「外径1ミリ、オイルパイプ用ブラックチューブ」です。



何だか鮨の「大トロ」みたいですが。

そうではなく、
半円形に切り出したプラ板の外周部に
タミヤの「エポキシパテ」を盛りつけているところです。
このパテが固まる直前に、
油絵の具の「蓋のギザギザ」を押し付けて
「ギザギザのモールド」を写し取ろうという作戦です。

この油絵の具は「HOLBEIN」の「バートン・アンバー」で、
私がAFV模型を作る際、
いつも「ウォッシング」に使用しているモノです。



こうして出来上がったのが、
この「ダイヤル・スイッチ」です。



「操縦席」の中に点在する「スイッチ」は大別すると
「ON/OFFするモノ」
「可変的にパワーをコントロールするモノ」
の二種類に分けられると思います。

また、その操作方法は、
「押したり引いたりするモノ」
「つまんで捻るモノ」
「回転させるモノ」
「上や下に動かすモノ」
「スライドさせるモノ」
など、いろいろあると思います。

「このコンソールにはこのタイプのスイッチを付けよう」
とか
「この操作卓にはこのスイッチが良いなあ」
などと妄想しながら作っていくのは、
とても愉しい作業なのであります。



つづきます。


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