SYU'S WORKSHOP
巨神兵オーマ製作記
(中編)

(1/7)

「宮崎駿」の原作漫画版「風の谷のナウシカ」に登場する
「巨神兵オーマ」をフルスクラッチしています。
ちょっと長い製作記になってしまいましたので「二つ」に分け、
今回は「中編」なのであります。


漫画において「巨神兵オーマ(ohma)」は、
自らを「戦士」であり「調停者」、そして「裁定者」と名乗ります。

「ケルト神話」に登場する「オーマ(ogma、オグマ)」は、
知恵と戦いの神でありました。

また、
「光と闇」の狭間に身を置く「調停者」の「オーマ」は、
当然「逢魔が時」の「オーマ」であります。

さらに、
「オーマ」はドイツ語で「おばあさん(oma)」を意味し、
「オーマ」は転じて「大母(オオママ)」となり、
これは「ユング心理学」で云う「元型」のひとつ「グレートマザー」、
すなわち
「全てを育て慈しみ全てを破壊する」者なのであります。



なんて事を言いつつ、




「オーマ」の「眼球」を作っていきます。

「オーマ」の頭部は作った「石粉粘土プルミエ」のまま
完成させようと思っていますので
(本当はレジンに置き換えるのが良いのでしょうが)、
後々の作業で破損等のない様、
「眼孔の周囲」「上唇の周囲」を「瞬間接着剤」をしみ込ませて、
硬化・補強しておきます。



「眼球」作りには私のお気に入りの造形材料、
「ワークアソシエイション」の「型想い」を利用します。

これは「ロウ」の様な素材で、お湯で柔らかくなり、
「原型」に押し付ける事により
簡単に「型取り」出来る優れた造形補助材です。



これを「お湯で柔らかくした」後、
「むにゅー」と「眼孔」から押し出していきました。



冷めて固まり、取り外したのがこれです。



これを適当な大きさにカットし、
こうして「第一原型」が出来上がりました。



並行して「オーマ」の「歯肉部分」も、
「エポキシ・パテ」でモールドしていきました。



さらに、「オーマ」の「鼻梁部分」に並ぶ
「レーザー砲口」を作っていきました。
漫画をみると、
この「鼻梁レーザー砲」は「三連装」になっています。

「0,9ミリ径」「1,6ミリ径」の「真鍮パイプ」を
埋め込んでいきました。



「眼球」製作には以下の「6工程」に分かれます。

1)「型想い」で作った「第一原型」を、
2)「シリコン」で再び「型取り」し、
3)それを「キャスト」で複製。
4)そのキャストをさらに「整形」し「第二原型」を作り、
5)それを再三「シリコン」で型取り、
6)そこに「透明レジン」を流し込んで、
完成させるのであります。



「日新レジン」の「クリスタル・レジン」に、
エナメル塗料の「クリアー・グリーン」を「一滴」入れ、
「グリーン色」の「眼球」にします。

この「緑色の眼」も「巨神兵」の「基本設定」です。
これは、いつも「ナウシカ」と行動している
キツネリスの「テト」と同じ目の色なのですが、
これには実は「深い意味」があります。

それはいつか後述するとして、



透明レジンのキャスト取りは、
温めると「流動性」が増し「気泡」が出来にくくなります。
と言うワケで、
「マグカップ」の中にレジンを流した「シリコン型」を入れ、
それを「Zライト」の熱で温めながら、
ゆっくりと硬化させていきました。



とは言え、
結局「気泡のない完璧な透明キャスト」が取れたのは、
「テイク3」個目なのでありました。



それを頭部の裏側から「眼孔」に填め込み、



「オーマ」の「眼球」が完成しました。
こうして、
「眼孔」にピタリ合う「眼球」が出来たのです。



もちろん、「透明レジン」ですから、
裏側から光を当てると思惑通りに
透過してくれるのであります。



「オーマ」の口腔内にある「粒子加速砲」を作ります。
「プロトンビーム」を発射するヤツです。

「プラパイプ」や「プラ板」で作っていきました。



出来ました。

アニメでも漫画でも、「巨神兵」の口腔内には「筒状のモノ」が確認できます。
もちろん、細かい「ディテール」は判りませんので、
これは私の「妄想設定ディテール」なのであります。
(早い話、でっち上げです)

ですが、こういう所にこそ、
出来る限りの「思い込みディテール」を盛り込んだ方が、
「格好良い」と私は常々思うのであります。

「砲身内」に「ライフリング」みたいなヤツが切ってありますが、
これはもちろん「プロトンビーム砲」の「放熱板」でありましょう。
「宇宙戦艦ヤマト」の「波動砲」みたいな。
ん?
「放熱板」じゃなくて「集光器」なのかな?



つづきます。

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