SYU'S WORKSHOP
モリアーティのプテラノドン製作記
(後編)
(4/7)




カッターナイフで指を切ってしまいました。

多くのスクラッチ者(特にプラ板者)の指は傷だらけです。
ですから、スクラッチ者が三人集まれば、
まるでスピルバーグの「ジョーズ」で鮫退治のため大海に乗り出した三人の男達が、
夜中船内で酔っぱらって昔鮫に受けた傷を自慢しあうかの様に、
お互いのカッターナイフ傷を見せびらかすのであります。

嘘です。
ああっ!こんな下らない話を書いている場合じゃないっ!



プロペラを作ります。
まず、プロペラの大きさを決めます。
私にはモーターを仕込んで回転させる様な技術は無いのですが、
それでも「プロペラが機体をこすってしまう」事のない様に
注意してサイズを決めていきました。



真鍮線を通した1ミリのプラ板の両側にバルサをサンドイッチ、
これを削っていってプロペラの微妙な「ねじれ」を
作っていく事にしました。
当初、
この手の「宮崎メカ」のプロペラですので、
「平板なプロペラ・ブレードでも良いかなぁ?」とも思ったのですが、
「1/28」というサイズを考えると、
やはり「ねじれのあるプロペラ」が欲しくなったのであります。



写真では判りにくいですが、
「ねじれ」のあるプロペラ・ブレードが出来上がりました。



また、プラ板とバルサを使って、
「プテラノドン」の頭上にある「方向蛇(ラダー)」を作りました。



これらをキャストで複製しました。
プロペラを複製したのは
微妙な「ねじれ」を何枚も再現するのが不可能であったからです。
また、方向蛇を複製したのは
単に「バックアップ」のためであります。



次に「スピナー」を整形していきます。
「ピンバイス」に噛ませて回転さながらヤスリで削っていきました。



「スピナー」に「ブレード」を取り付けます。
4枚羽根の今回のプロペラ、正確に「十字」になる様に、
そしてそれぞれの取り付け角度(ピッチ角)が同じになる様に、
慎重に位置決めしていきました。



作った「方向蛇」と本体を組み合わせ、
あまり段差が出来ないようにヤスリで削って整形していきました。



目玉部分には「ミネシマの1,5Vムギ球」を仕込む事にしました。

「モリアーティのプテラノドン」、
劇中にはそんな描写も設定も無いのですが、
やはり今回の様な「悪役メカ」たるもの
「目玉は光らなくっちゃ!」なのであります。

また、本来、こういう部分には「発光ダイオード」を使用するのが
良いのかも知れませんが、
私はムギ球の「フィラメントの放つ光」が好きなのであります。



「プテラノドン」の脚を作ります。
航空機である「プラテノドン」の降着装置「スキッド(ソリ)」になります。

3ミリの「銅丸棒」をヤスリで削り、
先端の「テーパー」を付けていきました。
「銅」という素材を選んだのは、
目玉のムギ球を光らせるために、
ここから「通電」しようと考えたからです。



慎重に脚の取り付け位置を決めていきます。
微妙な取り付け位置の狂いが
機体を傾ける事になってしまうからです。



と言うか、この段階になると、
例えば機体の傾きの原因は、

1)脚の取り付け位置が間違っている
2)翼の取り付け位置が左右で狂っている
3)そもそも左右の翼が正確な対称物では無かった
4)胴体自体が歪んでいる
5)頭の取り付け位置が曲がっている

等々、
それぞれが微妙に影響し合いつつ表面に現れてきます。

それらを皆が一致協力し(協力させるのは私ですが)、
全体で見て「ちゃんとしている」様に
すり合わせ微調整していくのであります。



つづきます。


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