SYU'S WORKSHOP
モリアーティのプテラノドン製作記
(後編)
(7/7)
ようやく完成した「モリアーティのプテラノドン」であります。
この「プテラノドン」が初登場するのは
「名探偵ホームズ」の「青い紅玉」の回でした。
ある日突然ロンドン上空に飛来し、
市民をパニックに陥れるのですが、
これはもちろんホームズの原作者「コナン・ドイル」の書いた
もうひとつの傑作「失われた世界」のパロディなのであります。
「くちばし」の中の拡声器です。
「くちばし」は填め込み式で、閉じたり開いたり出来る様にしました。
この「プテラノドン」の特徴のひとつが、
機体上部に飛び出しているシリンダーとクランクです。
劇中では当然クランクは回転させ、
シリンダー自体も上下動させており、
「うーん・・・。凄い・・・」と思ったモノであります。
機体下部の「スリット」です。
このスリットはカット事に作画位置が違っていたりするのですが、
当然これは「プテラノドンの肋骨」という意匠ですので、
この位置が「正解」なのであります。
多分。
コナン・ドイルの正典においてホームズが活躍するのは
19世紀末ビクトリア朝「1880・90年代」の事であります。
「動力付き飛行機」が飛んだのが1903年暮れの「ライト兄弟」ですから、
数十年前にすでにこんな飛行機を作り上げた「モリアーティ教授」は、
やはり「悪の天才」と言うべきでありましょう。
(もっとも正典には飛行機なんて出て来ませんが)
「ねじれ」と「ピッチ角」のあるプロペラです。
こんな所にあるプロペラ、きっと操縦者は堪ったものじゃなかったでしょう。
この飛び出している「シリンダー」は「空冷」の目的を持っているのでしょう。
もっとも「空気抵抗」も凄そうですが。
操縦席搭乗用の「手摺り」です。
「1,5ミリのアルミ棒」で作り、
色は塗らずに素材感を出してみました。
「宮崎アニメ」はこの手の「オープントップ式操縦席」が
本当に大好きです。
もちろん「飛行中に風を感じる気持ちよさ」を出す
という狙いがあるのでしょうが、
身も蓋もない言い方をすれば、
「この方がキャラクターの芝居をさせやすい」
というアニメ演出独自の理由があるのです。
「操舵輪」を外して「計器盤」と「蒸気エンジン」の
アップを撮ってみました。
さらに「蒸気エンジン」のみのアップです。
らしさを出すポイントは
「圧力計」と「パイプ」と「ハンドル」と「リベット」であります。
この飛行機は
「青い紅玉」と「ドーバーの白い崖」の2話に登場し、
いずれも最後は「爆発炎上」という
哀しくもバカバカしい最期を遂げるのであります。
「目玉」の発光ギミックですが、
思いのほか上手く行きました。
予定通り、銅棒で作った「脚」から無事に「通電」出来ました。
やっぱり「ムギ球」の発光は格好良いなあ。
「これこそ悪役メカっ!」なのであります。
今回のフルスクラッチもかなり手こずりましたが、
こうして「ぶーん!」なんて言って遊ぶ事が
やっと出来たのであります。
あー楽しい。
さて。
すでに一部の方々には最初からバレバレになっているみたいですが、
今回私が作ろうとしているのは実は、
「このプテラノドンを大道具にしたモリアーティ教授の秘密基地」
なのであります。
(それにしては、ちょっと時間がかかりすぎましたが・・・)
と言うワケで。
次回
「モリアーティのアジト編」
に続くのでありますっ!
ちょっと特撮してみました。
とっても長い文章を最後まで読んで下さいまして、
本当にありがとうございました!
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