SYU'S WORKSHOP
モリアーティの潜航艇製作記
(中編)
(1/7)
宮崎駿のアニメ「名探偵ホームズ」の「海底の財宝」に登場する
「モリアーティの潜航艇」をフルスクラッチしています。
「ホームズ」と「潜水艦」の組み合わせは
アニメ「名探偵ホームズ」に限った事ではなく、
「コナン・ドイル」のホームズ譚(正典と呼ばれている)
「ブルース・パティントン設計書」も
「英国海軍の最新鋭潜水艦の設計図が盗まれる」話でした。
その潜水艦が完成すれば
「航続距離範囲内ではもはや海戦はできなくなる」
と称されるほど強力な秘密兵器で、
これはまるで
本「モリアーティの潜航艇」みたいなのであります。
さらに映画「ビリー・ワイルダー」の
「シャーロック・ホームズの冒険(1970)」では、
「ネス湖で極秘潜水艦の運用テストが行われている」という
エピソードが描かれていました。
当然それは「ネッシー」に間違われ大騒動となるのであります。
ちなみに、
「M&M・ハードウィック」の小説
「シャーロック・ホームズの優雅な生活」は
この映画のノベライズでありました。
そもそも19世紀の大英帝国は
海外に数多くの植民地を持ち、
それらを支配するため強大で伝統的な海軍を保有し、
それ故、他国を牽制するために
「潜水艦など邪道、卑怯者の武器だ」などと公言していたのですが、
陰ではこっそり「研究・開発していた」というのも、これ、
実に興味深い事実なのであります。
なんて事を言いつつ、
![](sub131.jpg)
「魚雷発射管」を作っていきます。
「艦首」の開口部を整形した後、
![](sub132.jpg)
「魚雷発射管」用の「プラパイプ」を作るため、
0,5ミリプラ板に「癖」をつけていきます。
![](sub133.jpg)
これぐらいのサイズなら
長い時間放置しておく事もなく、
1回、熱湯に浸けておくだけで簡単に「癖」がつくのであります。
![](sub135.jpg)
厚み「1,5ミリ」、外径「29ミリ(内径26ミリ)」のプラパイプが出来ました。
![](sub136.jpg)
本「魚雷発射管」は、45度の角度で「艦首」に取り付けます。
(艦首から飛び出ている部分は後にカット)
「発射管は得てして船体と平行なのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、
19世紀のイギリスの潜水艦には垂直に付く
(つまり真上に撃つ)ヤツもあったみたいなので、
こういうのも「アリ」なのであります。
と言うか、
これもさすが悪の天才「モリアーティ教授」なのであります。
![](sub137.jpg)
「魚雷発射管」にディテールをつけていきます。
![](sub138.jpg)
これは開口部に付くパーツ、0,5ミリプラ板から切り出しました。
![](sub139.jpg)
1ミリプラ板を発射管の「外径」に合わせて切り抜きます。
これは「発射管後部扉」のパーツとして使用するのですが、
![](sub140.jpg)
切り抜いた残りのプラ板からもパーツを作っていきます。
![](sub141.jpg)
これを利用する事により、
![](sub142.jpg)
円柱の外周にピタリと設置するパーツが作れるのであります。
![](sub143.jpg)
以前作り置きしていた「ポンチで量産した小さな円プラ板」なども利用し、
![](sub144.jpg)
ディテールを細かくして行きました。
![](sub145.jpg)
私の様な設計図も書かずにフルスクラッチしている者にとって、
作業を進めていく中で、
ある時、突然「形」が見えてくる
とても嬉しい瞬間があります。
この「魚雷発射管」の場合は、
上のパーツを取り付けた瞬間でした。
最初は「単なるプラパイプ」だったのが、
これはもう「魚雷発射管」にしか見えないのであります。
つづきます。
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