SYU'S WORKSHOP
モリアーティのアジト2製作記
(前編)
(1/6)
本製作記の文章中、
ところどころの単語にリンクが貼られていますが、
それは以前書いた「製作記」や「蛇足だらけの注釈編2」に跳ぶ様になっているためです。
「行ったり来たり」が「煩わしい」方は、
本製作記のみ読み続けた方が良いかも知れません。
宮崎駿のTVアニメ「名探偵ホームズ(1982)」、
通称「犬のホームズ」は私の大好きな「宮崎アニメ」です。
いや、これはまだ「宮崎アニメ」というブランドが生まれる前の、
我が良き愛すべき「漫画映画」なのであります。
そのシリーズで宮崎駿が関わったのは6作品のみと
数は少ないのですが、そのいずれも名作揃い。
中でも「海底の財宝」は
脚本・作画・動画・背景どれもが素晴らしく、
劇中登場するいわゆる「宮崎メカ」も、
キャラを演ずる声優たちの芝居も魅力に溢れ、
全体をまとめる演出も決して劇場アニメに劣る事のない、
いやそれどころか過去から現在、氾濫する数多くの劇場アニメにも優る
傑作TVアニメ作品なのであります。
本作で活躍するのが「モリアーティの潜航艇」。
ホームズのライバル「モリアーティ教授」の小型潜水艦です。
この潜水艦はテムズ河「犬島」周辺の
海軍工廠や造船所、波止場から盗み出された
様々な艦船パーツを再利用し、
モリアーティ一味によって組み立てられた、
という設定になっています。
ならば完成前の盗んできたパーツが散らばる
建造中のシーンが見てみたいモノ。
と言うワケで、今回、
「モリアーティの潜航艇」が作られている最中の「ジオラマ」を
フルスクラッチしてみる事にしたのです。
題して「モリアーティのアジト2」であります。
![](aji2_001.jpg)
まず最初にラフ・スケッチを描きました。
以前作った「モリアーティのアジト」は
アニメの設定や実際のシーンにかなり忠実に作ってあるのですが、
今回の「アジト2」は私の完全な「脳内妄想設定」であります。
劇中こんなシーンは出てこないからです。
ジオラマのスケールは「1/28」。
こんな微妙なサイズに決まった経緯は
以前の製作記のここら辺を読んでいただくとして。
![](aji2_002.jpg)
前回のジオラマには
「モリアーティ教授」と「ハドソン夫人」を登場させましたので、
今回は手下の「トッド」と「スマイリー」を出す事にしました。
「出す」と言ってもフィギュア製作は前回同様、
プロの原型師「TAKEDAさん」にお願いしたのであります。
ズルです。
真面目に働いている「スマイリー」と、
漫画を読んでサボっている「トッド」という
シリーズ中よく見かける図式です。
この様なラフ画を描き「TAKEDAさん」に見せて説明し、
炉端屋で焼酎をしこたま飲ませ、
ラーメン屋でラーメンと餃子を食わせ、
「またひとつよろしくお願いしますよお」と発注したのであります。
![](aji2_003.jpg)
さて。
「ジオラマ・ベース」を作っていきます。
画材屋で購入した「B4の木製パネル」を使います。
![](aji2_004.jpg)
パネル裏の四隅には「カツラ 45ミリ角サイコロ」を接着し、
舞台全体を持ち上げます。
これはジオラマ・ベースであると同時に、
ジオラマを載せるための「ディスプレイ台」でもあります。
そして、ディスプレイ台にはある程度
「高さ(タッパ)があった方が格好良い」と思うのです。
![](aji2_005.jpg)
「4ミリ厚シナベニア合板」をサイズに合わせてカットし、
パネルの四方に立てていきます。
これが「アジト2」の全体フレームとなります。
4ミリ厚ぐらいのベニアであれば、
鉄の定規を当てカッターナイフを何十回か滑らせて
ノコギリを使わずともカットして行く事が出来ます。
![](aji2_006.jpg)
接着には「セメダイン」の「スーパーX(透明)」を使用。
完全に接着されるまで「三角定規」で状態をキープしておきます。
![](aji2_007.jpg)
左右が完全に固定された(1日ほどかかります)後、
今度は手前と奥を接着していきました。
![](aji2_008b.jpg)
ペニアの外側には「ワシン」の「油性ニス(エボニー)」を
三回に分けて(一回一回時間をおいて)刷毛塗りしました。
![](aji2_009.jpg)
こうして「ジオラマ・ベース(ディスプレイ台)」が完成しました。
![](aji2_010a.jpg)
今度は内側を作り込んでいきます。
床面には「0,5ミリ プラ板」を接着。
表面には「7センチ方眼」にスジ彫りを入れ、
床の「パネルライン」を再現します。
![](aji2_011.jpg)
ここも接着には「スーパーX」を使用。
この接着剤はパッケージに「超多用途」と書かれているだけあって、
異なる素材同士の広い面積の接着に適しているのです。
つづきます。
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