SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.120
「マキという人」
について

(2010年7月17日)


最初に気がついたのは、ラジオを聴いていた時でした。


それはTBSラジオの小中学生の学校合唱コンクールの入賞者を紹介する早朝の番組でした。
その司会が「新井麻希」というTBSのアナウンサーだったのです。

そこで「あれ?文化放送にも『石川真紀』ってアナウンサーがいるなあ」と思ったのです。

そう言えば日本テレビのアナウンサーにも「森麻季」がいますし、昔、フジテレビには「大橋マキ」って人もいましたっけ。

こうしてみると、各局のアナウンサーには必ず「マキ」という人がいる「仕組み」になっているのかも知れません。
これは不思議です。
日本全国のテレビやラジオ局を調べてみたワケではありませんが、密かに霞ヶ関にある総務省の「裏放送法」には、「各局には必ず1名以上の実質稼働出来る『マキ』を常時配備しておく事」なんて法令があるのかも知れません。


いや、それはアナウンサーに限った話ではなさそうです。

例えば歌手の世界。


浅川マキ」は70年〜90年代に活躍したブルース系シンガーソングライターです。彼女の名前を聞くといつも「アングラ」という言葉を思い出します。彼女を知るなら「赤い橋」がお薦めです。

カルメン・マキ」は1969年に「時には母のない子のように」でデビューしました。彼女が歌って有名になった「戦争は知らない」は今でも様々な歌手たちに愛され、カバーされ続けています。

マイク眞木」は、あ、これは男か。

大黒摩季」は初めはバンドのバックコーラスをしていて、後にシンガーソングライターになり、「ら・ら・ら」「熱くなれ」等で大ヒットを飛ばしました。彼女のパワフルな歌唱力には定評があります。

後藤真希」は1999年に第三期「モーニング娘。」でデビュー、後に独立。何かと話題の多い人であります。2000年頃の日曜昼のバラエティ番組「ハロー!モーニング」を私はよく見ていましたっけ。


女優の世界でもこの「法令」は生きている様子です。


カルーセル麻紀」は、違うと。

水野真紀」は1987年の「東宝シンデレラコンテスト」からデビュー。昔から東宝に連綿と続く「清楚なお嬢さん女優」です。今は政治家の妻になり、コーヒー「マキシム」のCMでよく見かけますね。

坂井真紀」は、ちょっと前のバラエティ番組「ココリコ・ミラクルタイプ」で絶妙なコメディアンヌぶりを見せました。1994年の「サントリーの飲料ビックル」のTVCMを私は好きでした。

持田真樹」は1993年のTVドラマ「高校教師」で、京本政樹演ずる教師にレイプされる教え子という、衝撃な役で話題を呼びました。主題歌「森田童子」の「ぼくたちの失敗」は昔から私の大好きな歌なのでした。

田丸麻紀」は大阪出身のモデルで、後にタレント・女優としてドラマやバラエティ番組に出演しています。美しい顔立ちや均整の取れたスタイルが「さすが元モデル」と思わせるのであります。

堀北真希」は今一番「旬」の若手女優です。薄幸そうなルックスや太平洋戦争ドラマでよく見かける事から、2ちゃんねるでは「日本一『もんぺ』が似合う女優」と書かれていましたっけ。


さらに「マキ」で思い出す三人がいます。


佐々木マキ」は60年後半から70年代にかけて漫画雑誌「ガロ」で描いていた漫画家です。以降は絵本作家として活躍しています。この人は「男」なのですが、私の大好きな作家なのです。

藤原マキ」は漫画家「つげ義春」の奥さんです。残念な事に1999年に病気で亡くなってしまいました。彼女の描いた「私の絵日記」は今でも時々思い出して読む私の愛読書です。

石川真希」は「佐野史郎」の奥さんで彼女も俳優です。一時期夫婦で「東京電力」のTVCMに出ていましたっけ。
「藤原マキ」と「石川真希」は、どちらも「唐十郎」のアングラ劇団「状況劇場」の出身です。
「状況劇場」という場所が、「マキ」という名前を呼んだのかも知れません。
また、「アングラ」「サブカル」には、何故か「マキ」という名前が合うのでしょう。


私が以前勤めていた会社には20年の間に二人の違う「マキ」が入って来ましたし、知人の奥さんの名前も「マキ」さんでした。
しかし私が「マキ」という名で一番最初に思い出すのは、実はアニメのキャラクターなのです。

それは1980年の「ルパン三世」の第二シーズン最終話に出てくる「小山田マキ(小山田真希)」であります。
そのタイトルは「さらば愛しきルパンよ」。
「装甲ロボット兵ラムダ」の操縦者として登場します。
本作は、あの「宮崎駿」が「照樹務」名義で演出した事でも有名になりました。


♪マグロ巻くのが「鉄火巻」、キュウリ巻くのが「カッパ巻」、
イクラやウニ乗せ「軍艦巻」と、卵とすり身の「伊達巻」で、
あまりの旨さに「舌を巻き」♪
鬼を追うのが「豆撒き」ならば、昭和の娘は「真知子巻き」、
悪酔いしたら「管を巻き」、頭グルグル「渦巻」で、
「ネジ巻き」「ちまき」「取り巻き」「葉巻」、
こんな私は「左巻き」♪
♪はあ〜ヨイヨイっと♪

なんじゃ、この結論は。

(20100911追加補記。本日TBSラジオを聴いていたら『柳井麻希』という新しい『マキ』が出て来てビックリ。調べてみると、この人は局アナではなくフリーのキャスターらしい)




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