SYU'S WORKSHOP
ESSAY VOL.70
「発見!ラムダのアジト(1)」
について

(2005年11月26日)


宮崎駿の「さらば愛しきルパンよ」(詳しいストーリィはこちら)に出てくる「ラムダのアジト」を発見したので、ご報告いたします。


素晴らしい技術と驚異的な熱意で「1/6全可動 装甲ロボット兵ラムダ」を作られている「腰痛さん(腰痛さんのリハビリ工作室)」によれば、「もう時代はラムダ」なのだそうです。

なるほど。

私も薄々「そうじゃないかしらん?」と思っておりましたので、今回は劇中登場する通称「葉桜ビル」を「フィールドワーク」してきました。

その結果をここに発表するのであります。



劇中のセリフ
「ロボットは戦意を喪失、逃走中。
路地をぬって高円寺方面へ向かっている」
にある通り、
高円寺住宅街の路地はとても狭く入り組んでいる。
道幅にして「3メートル60センチ」もあれば良いほどだ。


そんな中を、
飛行時の全翼が「7メートル強」はあろうかと思われる
「装甲ロボット兵ラムダ」が
低空で通り抜けていったのだ。

さすが「小山田マキ」と言うしかない。


住宅街の向こうに「黄桜ビル(仮称)」が見えてきた。


劇中では「葉桜ビル」と名前を変えて登場。
ここが「ラムダの秘密基地」である。

「新宿出撃」のために設けられた「前哨基地」であろう。
もちろん、本拠地は「川越」にある「永田重工」である。


当然、「ラムダ」が二回目の「新宿出撃」から
「高円寺の狭い路地をぬって」ここに帰還したのは、
空中に展開していた「国防省」の追跡ヘリを撒くためであった。


これが「黄桜ビル」の全景。
ご覧の通り実はかなり開けた場所にある
「環七」に面した結構目立つ建物なのだ。

もし追っ手のヘリが無かったら
「新宿→青梅街道→環七」という帰還ルートを
「ラムダ」は使っていたのかも知れない。
というか飛んでいるのだから「直線コース」だったか。


この「屋上看板」の下に
ルパン一味(ニセ)のアジトがあった。
この写真はビルを「南東」から見ている。


これは「東」から見た写真。

「地下1階」「地上7階」の立派なビルだ。
屋上には「機械室」があり、さらにその上に「広告塔」がある。

銭形(ルパン)が「小山田マキ」から「砂糖抜きコーヒー」を
飲ませて貰った部屋が、その「機械室」である。


「北東」より望む。

「黄桜」のイメージキャラ「河童」のイラストが描かれているが、
劇中では描写されていない。
まあ、当然の事ながら劇中では「葉桜ビル」だからである。


さて。

実はこの「黄桜ビル」の近くに
当時「さらば愛しきルパンよ」を制作した
「テレコム・アニメーション」が入っていたビルがある。
その名も「永田ビル」。

劇中の「永田重工」の名称は
政治の中枢「永田町」の捩りでもあったのだろうが、
この制作プロダクションが入っていたビルの名前からも
取られていたのだ。

上の写真はそのビルの脇道に入った所。
劇中「銭形(ルパン)」が「ラムダのアジト」を見つけ、
バイクで入って行く、あの道である。

真向かいに見える白いビルは「(旧)中野病院」。


当時スタッフは「黄桜ビル」周辺はもちろん、
「新宿」ロケハンなどを行い、それを作画や美術に活かしたという。

もちろん「さらば愛しきルパンよ」の中にも
「都合の良い作画上の嘘」は多々あるのだが、
「知らないで付く嘘」と「知ってて付く嘘」の差は
歴然と作品の「質」に影響してくるモノなのだ。


「黄桜ビル(葉桜ビル)」のある「環状七号線」、
この付近は「日本酒広告塔プロムナード」とも呼ばれ(うそ)、
他にも「両関」やら
「太平山」の屋上看板が密集しているのであった。


あっ!!
って、実写の夜景と昔ゲットした
クレーンゲームの景品の「ラムダ」を合成してみた。

2001年に出回っていた「10センチ」の「ラムダ」であるが、
撮影時に「ライティング」を考え、
合成時に「ブラー」をかけてやると
「それっぽく」見えるモノである。



以上、「ラムダのアジトを探して」レポートでありました。


実はこれらの写真は、以前私が作った「1/6 ラムダの操縦席」の「メインコンソール」の「中央GUI」のディスプレイ用に数年前撮影したモノであります(一部、追加撮影していますが)。
その写真を縮小コピーして「モニター」の裏側に貼ったのでした。


「さらば愛しきルパンよ」の制作が「1980年」。
この写真を撮影したのが「2003年」の秋頃ですから、「20年以上」も当時の面影を残す、とても由緒正しい建物なのであります。

「装甲ロボット兵ラムダ好き」としては、未来永劫残り続けてもらいたい「記念碑的建築物」なのであります。


さて。

区切りが良いので今回のエッセイはここで終わりますが、本エッセイは次回「発見!ラムダのアジト(2)」へと続きます。

そこでは「さらば愛しきルパンよ」の物語上の「時系列」と「ラムダの飛行ルート」を考察してみる事にいたします。





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